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2010年8月

2010年8月30日 (月)

サクセスストーリーの源流としての「七人の侍」

四方田犬彦「七人の侍と現代」(岩波新書)をちら読み。サクセスストーリーの源流の一つのようだ。

意外だったが、「七人の侍」のストーリーを要約して幾つかの要素を落とすと(リーダーの勘兵衛の威厳ある佇まいを崩して駄目なキャラに改変、また、ラストで勝者の図式を転換させる)、確かにサクセスストーリーになる。

ちなみに、この本では複数のプロフェッショナルが協力して活躍する映画という観点で映画史を追っていくので、「がんばれ!ベアーズ」や「ロッキー」といった典型的なサクセスストーリーは紹介されていない。

七人の侍では野伏せりを略奪者としてのみしか描いていない(敵側からの視点がない)と指摘。西部劇と似た図式。

フォロワーの作品は逆に七人の侍がそうだったから、敵側の視点に思い至ったのかもしれない。というか、主人公たちは敵の内部事情を知る由もない。分からない、理解しえないから恐ろしい存在として成り立っている。侍を雇って抵抗すると決めた以上、引き返せないはずなのだ。

ジョーズやエイリアンは姿を隠しているから怖い、それも一つの真理だ。いや、相手は人間だけど、百姓側の視点で描くと、敵の視点は余計なものでしかないだろう。

<追記>
読了。黒澤監督は徹頭徹尾、勧善懲悪的な構想で描いたようだ。敵側の視点の欠如。むしろ欠けているから現在でも戦火に苦しむ国/地域の人たちに現役の作品として受け入れられているのではないかと思った。

他、終戦後まもない時期の映画史も解説してあるが、映画業界の撮影所システムが無くなったのは、映画産業の斜陽化だけでなく、労働争議にも原因があったことがうかがえた。待遇の改善とかはともかく、作品の内容にまで口を出されたら堪らない。

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2010年8月11日 (水)

スペインサッカーがいいとは思わない

サッカーW杯2010、スペインが優勝したが、ポゼッションサッカーと言うのか、細かくパスをつないでいく戦術だった。日本も本番ではガラっと変えたけど、元はああいうサッカーを指向していた。

素人なので爆発的な攻撃力を誇るドイツやオランダがなぜ強いプレスを仕掛けられなかったのか分らない。その辺が日本とスペインのレベルの違いなのだろう。

しかし、思うにポゼッションサッカー、パスを回しているうちに相手は引いて陣形を整えてしまう。そこからどう崩していくのかなのだろう。

個人的にはサイドバックの内田選手が中村俊輔を追い越していくシーンが記憶に残っている。ただ中村―内田ラインは守備に不安があると指摘され、他の理由もあるけどW杯本番では起用されなかった。

で、スペインですらパスをカットされカウンターを喰らうシーンが何度かあった。この戦術の欠点だろう。90分でカウンターを数度喰らうことを織り込んでおく必要がある。

個人的には松井選手がドリブルで右サイドから突破を図るシーンが印象に残っている。ドリブルはカットされたらそこで取り残されてしまうので、パスを繋ぐ方が合理的との考えなのだろうが、相手陣形を崩したければ仕掛けないととも思う。

W杯で日本代表がとった守備的な戦術はアジアだと対オーストラリア、もしくは最終予選で出番があるかないかという様な気もする。次の代表はどうなるのだろう?

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2010年8月 1日 (日)

人生の縮図

自作パソコンではないが、ハードディスクがクラッシュしたのをきっかけに、ディスク換装、OSインストールを試みる。予想外のトラブルが続出してお手上げ。人生の縮図のようだ。

<追記>
256+256MBのメモリを挿していたのが原因だった。256MBのメモリ一本でインストールが無事完了する。もう一本はダメになった。

HDDを新しいものに換装すると古い機種でも快適に使えるようになった。HDDの読み込み速度もレスポンスを大きく左右すると認識。しかし、これまで注ぎ込んだ金額で最新の機種が買えてしまうのだが。高い授業料。やはり人生の縮図であった。

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