冬の師団
録音したNHK FMシアター「マロース」(倉本聰:脚本・演出)を聴き直す。時計がずれていて、冒頭の数分が録音されていないが、水鳥の大量死という状況が語られ、そこから野鳥の無差別殺処分という異常な事態が語られる。ここで、「ん?」と奇異な印象を持つ。
続けて化学物質の不法投棄という背景が語られる。こちらは現実でもありそうな展開。物語が終盤に差し掛かったところで核心が語られはじめる。「あっ、そういうことだったのか」と驚かされる。
オーディオドラマは基本、効果音とセリフだけなので、それを逆手にとって幻想的な作品に仕立てることができるのだとか。「マロース」を聴いて、確かにそうだと頷いた。
「マロース」の脚本はドラマ誌2010年1月号に掲載されていた。
脚本を読む。冒頭、養鶏場の経営者の自殺が起きる。昔の記憶がよぎる。鳥インフルエンザ絡みで実際にそういう出来事があった。偶々その会社に行ったことがあったのだ。
コーヒーミルを挽く音、これだけで感情も表現できる。シンプルだけど奥の深い世界だ。
実は倉本ドラマはほとんど観たことがない。クラスで話題になっているので、存在自体は知っていたが、ドラマが放送される時間帯はテレビを観ない習慣だったので。母が蛍ちゃんが可愛いと言っていたので、親は観ていたはず。思い起こすと、断片的だが幾つかのシーンが思い浮かぶ。印象には強く残っている。観ていないのは人生の損失だ。
倉本脚本、全てではないが「ん」が「ン」と表記されている。繰返しは「ゝ」「ゞ」。手書きなンだろうなぁ。
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