小説版シリーズ終了――続・戦国自衛隊
「続・戦国自衛隊」第6巻を読み終える。これで小説版は終了。
結末だが、おそらく「戦国自衛隊1549」(映画のみ鑑賞)を踏まえてのものだろう。キーとなるアイテムが一部被っているので。
数年に渡って出版されたシリーズなので前の方はかなり忘れてしまった。個人的には4巻がこの作品らしいのではないかと思う。感情移入した登場人物があっさり退場、本来ならいるはずの戦場に出ることなく姿を消してしまい混沌としたまま最後の大坂の陣に流れ込んでいく。なのだが、本来5巻で終了予定だったのが6巻に伸びたので、一拍おいてクライマックスとなった次第。
これまでの巻であれば、隊員たちの死は感情移入できるような描写であったが、今回は割と淡々としているか。実際、戦場では感傷に浸っている余裕はないだろう。
オリジナル「戦国自衛隊」の肝は“とき”の意思(のようなもの)によってタイムスリップさせられた自衛官たちが歴史の欠落を埋めるため召喚されたと知らぬまま、歴史を修復――別の言い方をすれば史実に近い役割を演じさせられたことに最後になってようやく気づくというという哀感であろうか。
「続・戦国」でも基本的には同じなのだが、段々とブレはじめていって、それでも主人公たちは奮戦するが……といった感じ。ある意味「続・戦国」の方が「1549」よりはエイヤッ!と思い切った結末にしているのではないかと思う。ここから歴史を修復できるならしてみやがれ!なのかもしれない。
ふと思ったが、藤原隊長に代表されるように悪い方に事態を導いてしまう人たちこそ、実はときの意思を体現してるのかも。
<追記>
小説版「続・戦国自衛隊」の結末は、作者の宇治谷順氏が構想していたものとは異なるもので、いわば打ち切りに近いエンディングなのだけど、それはそれで味があっていいと思う。
<追記>
Amazon KIndleで電子書籍版の発売が始まった。なんでも結末が書き換えられるのだとか。
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