挽回できるか
「ゆとり教育」の見直しが事実上はじまっている。数年前から学力の低下が懸念されはじめ、中教審が事実上それを認めたということだろう。
僕が読んだものでは9月の毎日新聞の社説、非常に歯切れが悪かった。少し前の朝日新聞社説も枝葉末節の議論に終始した感がある。それはそのマスコミがゆとり教育を後押ししたからであろう。「ゆとり」が提言された頃は受験競争が激しい時代で、荒れる学級、登校拒否などの歪みが生じていた。また、詰め込み教育の弊害として応用力の弱さについて議論されていた。ただ、原則十年に一度の改訂なので時代の要請とズレてしまった感がある(今は少子化で以前に比べれば競争は若干緩和されているはず)。
僕は週五日制導入をうらやましく思ったりしたが(仕事だと週休2日の方が明らかに体が楽なのです)、教師の方がネットで発表した日記・ブログだと、学校行事などもあって、カリキュラムのやり繰りに苦労なさっているように見受けられた。
学ぶことの究極的な理想は個々人の習熟度に応じた教育だろう。それは実質的に不可能だから学校という制度がある。少人数の教室が志向されるのはそうだ。近代国民国家の要請として国民皆教育、均一な質の人材を送り出す役割を持たされた面もあるだろう。一度きった舵を修正するのは容易でない。やはり十年単位の時間が必要だろう。
僕自身、受験一辺倒だった高校時代については複雑な想いがあるが、出来る子に対しては積極的に伸ばしてやるのも期待されているだろう。人間、興味をもった分野ではぐっと伸びる。様々な工夫がされているだろうし、そういうものを情報共有するのもありかもしれない。
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