夢の中までノルマ
昔世話になった営業所の所長が夢に出てくる。夢の中、相変わらず僕は仕事のできない奴だった。非常に頭の回転が速く優秀な営業だった所長からみれば僕はどん臭いボケナスに見えたことだろう。それはそれで僕の非なのだが、辛らつな言葉を常に受け、僕は次第に何をしていいのか分からなくなっていった。モチヴェーションが消えると営業という仕事は苦痛でしかない。自分でも何とか事態を打破しようともがいていたが、結局、外堀を埋めることに終始していたのではないか。
後年、営業から離れて、支援する部門に異動した。ちょうど営業マンの業務のいくつかをシステム化して効率化を図っていた時期なので、少し離れたポジションから営業という仕事を見つめなおすことができた。僕は優秀な営業マンがどういう風に考え、行動するか、システムに組み込めないか夢想した。でも、基幹業務システムというのは要するに紙の伝票を電子帳票化するのが主である。シンプルな構成の方が合理的ということも分かり、僕の考えは夢想でしかないのだ、と思い知らされた。
悔やむことばかりである。僕がダメだった理由は簡単なことで、つまり基本ができていなかった。肝心の基本を外していたのである。何というか高校生のとき、強いストレスがかかって、それから脳の働きがフリーズしてしまった。それは後の僕にも悪影響を与えた。知識と知識が結びつかず、理解を妨げた。そんな状態で、大人の世界に放り込まれた僕は右往左往するしかなかった。なんでこんな簡単なことがすっと頭に入らないのだろう、と常に苦しんだ。
今は少し仕事のやり方が変わっているかもしれない。業界では整備した履歴をデータベース化している。そのデータを加工して、具体的なかたちでお客様に提示できるようになっているはずだ。
まあ、思うに僕の手には余ったのだ。自分が動かせる以上のものを扱っていたのだから、手に余るはずである。
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