朝日を難ずるに産経を以ってする
よくネット掲示板をみる。おかげでTVや読書の時間が減った。僕が覗くのはほとんど趣味系のボードだが、たまに政治系のものも読む。正直、異常に進行スピードが早いので全部は読みきれない。で、傾向として朝日新聞やTBSの筑紫キャスターなどは評判が悪い。僕の実家は毎日新聞を主にとっていたが、高校生の頃は朝日新聞だったろうか。批判を受けてもしかたない部分はある。要するに野党と同じで「何でも反対」のスタンスなのだ。かつて社会党が「何でも反対政党」と揶揄されたが、対案を示すわけではなかった。結果政権を獲れなかったし、今でも健全な野党は育っていないといえるかもしれない。
あと、朝日の論調には欠点がある。原則論で話を進めないことだ。どうしても一部の例外を持ち出してしまう。それはそれで重要なことなのだが、大局を見誤る危険性もはらんでいると思う。まあ、これは僕個人も朝日的思考に慣れ親しんでいた時期が長いので、あまり大きなことはいえない。大学時代、行政法の教授が「議論をするときは原則論で進めなさい」とおっしゃてたことを思い出す。容易なことではないが大切なことである。
それはともかくとして、インターネットでは同じ意見で固まり易い傾向があるのだな、と気づかされた。僕がよく覗くスレッドではほとんど同質の意見のみで、異なる意見をぶつけあって論戦するということはほとんどない。そうなれば結局スレッドが荒れてしまうのだ。
同じことは趣味系のスレッドでもいえる。荒れることを回避した結果、趣味系のボードでは本スレッドとアンチスレッドに住み分ける知恵が働いている。
政治系のスレッドに話を戻すと、朝日をバカにする一方で、ソースとして引用するサイトは産経新聞が多い。朝日と産経ではベクトルがかなり違う。「朝日を難ずるに産経を以ってする」とでも言えばいいのだろうか、どっちがいいというものでもないと思う。朝日を読めば日本の現状や将来に悲観的になってしまうし、産経を読めば逆に楽観的になりすぎてしまうだろう。
ネットの掲示板ではマスコミでは扱わないタブーもあっけらかんと話し合われている。要するに過去の経緯もあり、タブー視し過ぎた結果だろう。ガス抜きとしてネットが利用されている感じである。
まあ、僕も色々影響を受けたりしてるので、やはりメディアリテラシーがないな、と思う。とりあえず良かったのは日本史の知識が欠如していると再認識させてくれたことだ。知らないわけではないのだけど、断片的なもので一本筋が通っていなかった。これについては未だ勉強中である。また、中国や韓国について僕の知識のウィークポイントであることも分かった。新書で世界の動向は色々読んでいたつもりなのだが、肝心のお隣の国についておろそかになっていた。この辺を気づかせてくれたのはネットの力だと思う。
とにかくインターネットが普及することで「調べる」という行為についての敷居はかなり低くなったと思う。正直、子供の頃からこんな環境があればな、と今の若い世代をうらやましく思ったりしないでもない。もちろん、信憑性については保証の限りでないので、やはりリテラシーの能力が問われると思う。
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コメント
僕は大学まで朝日新聞で育ちました。あとは日曜にやって来る赤旗ね。
だから、「読売なんてけしからん新聞だ」くらいに思ってましたね。
最近は、「地元紙と日経を週に1回ずつ半年」というとんでもない宅配契約をして、あとは時々コンビニで全国紙をちょぼちょぼ。
結果として、一番マトモなのは読売な気がします。僕にはね。朝日と産経は両極端ですね。とくに、産経は「おいおい、大丈夫かね?」と思えるような途方もない記事も見受けられます。
もちろん、そんなやんちゃなところがなかったら産経の魅力はありませんが。
ココログルで、「タブー」さがしてきました。
投稿: ぽくぽく | 2006年5月21日 (日) 13時41分
いらっしゃいませ。うちは日経なのですが、その時々で業績の良い人をヨイショする傾向が強いですよね。そういう意味では一貫性のなさを感じます。そういえばトヨタの奥田会長がネット(といっても某匿名掲示板)で人気ないのに驚きました。中国で新幹線を受注するかどうかというトピックスも、技術流出を警戒する声が強いようです。日経は記事が僕にとっては専門的に過ぎるので他の一般紙に変えたいと思っているのですが実現しません。親戚の家に行ったとき、そこは朝日なのですが、読んでみると言われるほどでもないかな、と思います。ただたまにヒットは飛ばすようです(笑)。朝日批判を知ったのは井上ひさしの小説「吉里吉里人」を読んででしょうか。当時からクオリティ・ペーパーを自負していましたから、意外でした(ちなみに井上ひさしさんは共産党支持だったはずです)。読売は政府寄りのスタンスですが、実際読んでみて記事がよくまとめられているかな、と思います。ただ、何かの本で読んだのですが、社風としては風通しは良くないとありました。図書館であれこれ読んでみるのが一番なんでしょうね。
投稿: daidaimusha | 2006年5月22日 (月) 08時27分