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2005年2月17日 (木)

掲示板巡回ツールを入れてみる、ついでに成果主義について

DesktopBBS for YAHOO!掲示板というYAHOO掲示板巡回ツールをダウンロードしてみる。使いやすそうである。これまでYAHOO掲示板はWEBブラウザで読んでいたのだが、次のメッセージに遷移するのが面倒であった。このツールなら掲示板のログをダウンロードしてローカルで読めるのでメーラーやRSSリーダーに近い感覚になる。

YAHOO掲示板の存在を知ったのは2001年初頭だったと思う。株式掲示板を会社の先輩に教えてもらったのである。ちょうどその頃だったろうか、富士通の社長が「社員が働かないから業績が伸びない」というニュアンスの発言をして、掲示板が荒れていた。自身の経営判断を棚に上げてそんなことを言われれば、そりゃ社員は怒るだろう。だからといって掲示板に社内の事情を暴露していいというものではないが。

富士通で思い出したが、『内側から見た富士通「成果主義」の崩壊』(城繁幸著 光文社)という本を買って読んでいる。書店で平積みになっているのでベストセラーなのだろう。1990年代に導入された成果主義が富士通の業績悪化につながったと主張している本である。成果主義になって社風が悪くなったというのはそうなのだろうが、業績の悪化に直結するものだろうか。遠因となるとは思うが、変化への対応が遅れたとは言えるのだろうか。

90年代はデジタル化が急速に進展して、それは日本企業を取り巻く環境の変化も意味していた。後手後手に回ったのだとしたら、それは経営側の戦略ミスが主因ではないか。

同情する部分もある。保守運用・サポート部門などの評価は低く抑えられて良い評価が得られない仕組みになっていたそうである。サポート部門は顧客・社内顧客と直接接する部門であり、地味ながら重要な部門である。そういう部門で働く人たちが報われないのはちょっと気の毒である。ただ富士通の場合、FSASという保守運用・カスタマーサービスを主とする会社が成功していることもあるので一概に非難できないとも思う。

この本の著者は元富士通社員だそうである。いわば内部告発の本。同じ釜の飯を食った人に対してどのような想いでいるのだろう。一冊の本を書き上げる実力は素直に評価したいが、一企業の事例だけで結論に導くのは強引ではないか? 成果主義が全ての部門・職種で有効でないのは分かった。だがそれだけではないだろうか?

<追記>
もちろんリストラを繰り返した企業の社員の士気が大幅に下がって泥沼化、さらなる業績悪化をまねくことはよく聞くことだ。そういうのは業績悪化の原因として表立って語られることはない。販売不振というかたちで表に出るだろうか。まあ富士通の社長は舌禍事件を起こしがちな人ではあるのだろう。言わなきゃいいのに神経を逆なでする人はいる。

とりあえず鳴り物入りでスタートした人事制度の変遷を知る上では興味深い本ではある。普通人事部は秘密のベールに覆われているから、彼らがどういうロジックで判断・行動しているかという参考にはなる。ただし成果主義批判にとどまらず、なんらかの方向性を提案するべきではなかったか。富士通一社だけの事例にとどまらず、幅広い事例を収集して取り上げるべきではなかったか。自分の勤めていた企業の内情はよく知っている分、バイアスがかかってしまう可能性は否定できないだろう。内部告発の本を書いたのは勇気がいったろう。一生そういう評価がついてまわるのだから。ただ富士通批判なのか成果主義批判なのか、そこは明確に分けて論じて欲しい。

加えると、著者はおそらく人事部門での勤務経験のみではないか。

<追記>
そりゃ、僕だって数字ではっきり実績がでる部門だけじゃない、くらいのことは分かる。なんていうか、僕も流行りものは好きな口だが、考えないで飛びつくのはアレなのだろう。僕自身痛い経験をしたことがあるが、改革する上においてすぐに手をつけるべきでない、シンプルイズベストというか、何段階かのフェーズで徐々に移行していくべきものがある。僕のようなボンクラは痛い思いをしないと学ばないが、賢い人は上手に回避するものである。

amazon.でレビューを読むと文中に英単語がしばしば挿入されていることについてのクレームが多かった。おそらく英文で相当する単語だろう。注釈欄や巻末に一覧表としてまとめれば有用なのではないか。

城氏別が執筆した別の著書のレビュー(だけ)を読む。人事にまつわる既得権益云々となるのだろうか。既得権益をはいそうですかと手放すはずもないので、そこに踏み込んだ内容かもしれない。

関連して、ここ数年の雑誌記事を読むと、成果主義の弊害で他人に仕事を教えず保身に走る傾向があるとか。要するに人に仕事がついてしまうということ。トータルでみれば明らかにマイナスだろう。

ピラミッドを上下に分割、上部構造と下部構造ではないが、人が評価されるのは上の方、個々の業務知識やスキルを統合、コントロールする能力だと思う。ところが本人は三角形の下を守ることに汲々としてしまう……そういう風に思う。

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