APS-Cとフォーサーズ、3:2の面積比の超えられない関係
オリンパスが映像事業をファンドに売却することが報道され、マイクロフォーサーズの先行きに暗雲が立ち込めている。その後、オリンパスによって交換レンズのロードマップが提示され、依然やる気はあるという気概は見せた。
僕自身は2012年頃からモードダイヤルのあるデジカメを使う様になったので、それ以前のことはよく知らないが、オリンパスの運命はフォーサーズを採用したことから既に始まっていたとしてもあながち間違いではないだろう。
一眼レフ市場で主流となっていたAPS-Cとフォーサーズの面積比はおよそ3:2である。1.5倍くらいの差しかないのだが、物理法則の帰結として、センサー面積の大きな方が概して画質で有利である。フォーサーズは初めから不利を背負っての出発だったのである。
3:2の勢力比というのは微妙な数字である。昭和の時代、自民党と社会党の勢力比がおよそ3:2であった。手に届きそうでいて永遠に逆転できない力関係であった。
ただ、いかにセンサーが優れていても、レンズが駄目では無意味である。一眼レフの便利ズームでは周辺画像の甘いレンズが存在する。自分の知る限りではペンタックスDA18-135㎜WRがそれである。四隅が悪いのではなく周辺が悪いのだという違いをこのレンズは教えてくれた。
フォーサーズはデジタル専用設計を謳い、テレセントリック性を前面に押し出した。マウント径をセンサーのイメージサークルの1.8倍から2.0倍程度確保するのである。テレセントリック性を重視することでフォーサーズは四隅まできっちり解像するレンズという定評を得た。ただ、画質を重視する分、レンズは重く大きくなっていった。結局APS-Cとあまり変わらないサイズ感という評価だったようである。
ミラーレスの先鞭をつけたマイクロフォーサーズになってもその傾向は続いた。本気で小型化しようとすればパナソニックGMレベルまで小型化できることを示したが、案外売れず、結局ボディは肥大化の一途をたどった。その究極がE-M1Xである。
ミラーレス化で先行、レンズのラインナップを揃えたにも関わらず、APS-Cの追い上げを許し、拮抗状態に持ち込まれている。結局、根底にあるのはブランドというよりセンサー面積の大きな方が画質で有利であるという点にあるだろう。3:2の比率は逆転できないのである。
<追記>
センサー面積が2倍程度だと実は画質差は分からないともいう。フルフレームとAPS-C、APS-Cとフォーサーズ、フォーサーズと1型センサー……。つまりフルフレームと1型に大きな差はない……ことはない。
僕自身は小型であることに価値を感じるタイプなこともあって、フォーサーズでいいかなとも思っている。35-100㎜F2.8が360gと軽量なのも大きい。奉納神楽では半日以上もカメラを振り回すことになるので、極力軽い方がいいのだ。
1型センサー機を買ってみたがフォーサーズと比較するに、それほど違わないけど、ちょっとノイジーかなと感じる。
次にコンデジを買うとしたら、パナソニックLX100シリーズかなと思う。フォーサーズのセンサーでマルチアスペクトを実現している。その分、センサーの全ての面積を使う訳ではなくなるのだけど、4:3のアスペクト比の方がホームページで使い易いのだ。
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