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2014年11月 8日 (土)

オリンパスはなぜE-420とE-520の後継機を出さなかったのか

NIKKEIプラス1(土曜版)
2007年9月1日「初めてのデジタル一眼レフ」
1位:イオス キスデジタルX(キヤノン)
2位:D40(ニコン)
3位:E-410(オリンパスイメージング)
4位:E-510(オリンパスイメージング)
5位:D40X(ニコン)
6位:D80(ニコン)
7位:イオス 40D(キヤノン)
8位:K100D Super(ペンタックス)
9位:α100(ソニー)
10位:K10D(ペンタックス)
2010年10月9日
デジタル一眼 初心者にこの一台
1位:イオス キス X4(キヤノン)
2位:α55(ソニー)
3位:NEX-5(ソニー)
4位:ペン ライト E-PL1(オリンパスイメージング)
5位:D3100(ニコン)
6位:イオス 60D(キヤノン)
7位:ルミックス GF1(パナソニック)
8位:ルミックス G2(パナソニック)
9位:ペンタックス K-x(HOYA)
10位:ペン E-P2(オリンパスイメージング)


日経新聞・土曜版の記事より抜粋。ランキング自体は評論家の意見を元にしたもので、実際の売れ行きとは異なる。

2007年には、2位・3位にフォーサーズの一眼レフがランク入りしている。
一方、2010年になると、フォーサーズは姿を消し、マイクロフォーサーズがランク入りと時代の変遷が窺える。
オリンパスはなぜ、E-520とE-420の後継機を出さなかったのだろう? キットレンズもコンパクトにまとまっていた。コンパクトなE-4x0系は時代を先取りしていたかもしれない。


Eシステム(フォーサーズ規格の一眼レフ)

E-1:2003年10月発売 ※フォーサーズ1号機
E-300:2005年1月発売
E-500:2005年11月発売
E-330:2006年2月発売 ※フルタイムライブビュー、Live MOS採用
E-410:2007年4月発売 ※Live MOS採用
E-510:2007年6月発売 ※Live MOS採用、ボディ内手ぶれ補正機構を搭載
E-3:2007年11月発売 
E-420:2008年4月発売 ※ハイスピードイメージャAF(コントラストAF)採用
E-520:2008年5月発売 ※ボディ内手ぶれ補正機構、ハイスピードイメージャAF等搭載
※マイクロフォーサーズシステム規格発表:2008年8月5日
※パナソニックG1:2008年10月31日 ※マイクロフォーサーズ1号機。女流一眼
E-30:2008年12月発売 ※ペンタプリズム、肩液晶などを採用した中級機
E-620:2009年3月発売 ※ボディ内手ぶれ補正機構、ハイスピードイメージャAF、バリアングル液晶等搭載
※E-P1:2009年7月発売 ※マイクロフォーサーズ。PENシリーズ
E-5:2010年10月発売
※E-M5:2012年3月発売 ※マイクロフォーサーズ、OM-Dシリーズ
※E-M1:2013年10月発売 ※OM-Dシリーズ。像面位相差AF採用。フォーサーズとマイクロフォーサーズの統合を発表
Wikipedia、価格.comを元にまとめたもの(※海外専用モデルを除く)。
なお、キットレンズの14-45mmF3.5-5.6と40-150mmF3.5-4.5はE-400系のリリースに合わせてED14-42mmF3.5-5.6とED40-150mmF4.0-5.6にリプレース・小型軽量化されている。
フォーサーズ、マイクロフォーサーズの歴史をまとめると、ざっと上記のようになる。マイクロフォーサーズにシフトしていったのは、中型センサーでライブビュー撮影が可能となったのが理由の一つだろう。
E-520とE-420の直接の後継機はリリースされず、E-620がリリースされている。エントリーモデルのE-620とアッパーミドルクラスに相当するE-30の販売不振が直接のきっかけの様だ。
極論すると、センサーが一回り小さい分、一段劣ると見なされてしまったのだろう。
一眼レフは参入障壁なので、細々とでも作り続けておいた方がよかった様にも思える。
<追記>
調べてみたが、シェアは良いときで5%くらいで微妙な数字だったようだ。PENのヒットとE-30、E-620の販売不振が重なって……といったところらしい。
<追記>
地下駐車場
ISO800 F3.5 1/30秒
E-520はISO800までが常用域だが、ボディ内手振れ補正が効いて使いやすい。ISO1600まで設定可能なのだが、なぜかISO800までしか上がらない。設定を確認してみたが不明。
元々はE-M1の発表で旧フォーサーズに関心が湧いた。なぜ(マイクロフォーサーズとの統合で)撤退せざるを得なかったのだろうと。
で、カメラのキタムラのネット中古を見ていたら、E-520のレンズキット中古美品があったためポチった次第。背景にはペンタックスK-Xを実家に置き去りにしたため、横浜で一眼レフの練習できる機体が欲しくなったため。
E-510、520、E-410、420を発売していた頃は一眼レフのシェアが5%くらいだったようでそこそこの数字だったが、E-1、E-300の頃は1%くらいのシェアだったらしい。そのため当初からフォーサーズの将来を悲観する声はあったようだ。
大型センサーでライブビューが可能となってミラーレス一眼が現実のものとなった。フォーサーズのコンセプトを突き詰めたらマイクロフォーサーズに進化したのは必然と思う。
思うに、HGレンズくらいまでならマウントアダプター経由で使っても違和感なく使えると思う。問題はSHGレンズ。マウントアダプターの強度的には問題ないらしいが、実際のところSHGレンズユーザーはどう思っているのだろう。
僕はフォーサーズが発売されていた当時のことは知らないが、フォーサーズで支持されたのは小型軽量路線のE-4x0系で、プロ志向の過剰品質は問題があったのではないかと思う。
フォーサーズの売りは当初から強力なダストリダクションと防塵防滴。デジタル専用設計、テレセントリック性を併せて訴求したのだけど、初期のシェアを見る限り、一般の支持を得ることはできていなかったようだ。フォーサーズはAPS-Cより一段劣る(実際には一段も差がないらしいが)、そんな見方をされていたのではないか。
なお、現在ではソニー製センサーが採用されてパナソニック製センサーの品質も向上、APS-Cとの比較論はあまり見かけない。
フォーサーズの肝だったテレセントリック性の恩恵はマイクロフォーサーズでも受け継がれていて、おかげで周辺部の像流れといった事態に遭遇したことがない。

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