地域総合

2026年3月 6日 (金)

データセンターの光と影

NHKクローズアップ現代「あなたの近くにもやって来る?!データセンターの光と影」をNHK ONEで視聴する。今や欠かせないインフラとなったデータセンター。日本には500を超えるデータセンターがあり、その内200近くは首都圏に立地しているとのこと。ただ、建築基準法上、定義されておらず住宅地の近くに建設が計画されることも増え、近隣住民の反対運動が起きていると報道されていた。データセンターは大量の電力を消費するため、非常用電源も欠かせず、ディーゼル発電機を何台も抱えており、それが稼働する際の排ガスや騒音の問題がトラブルの原因となっている。米国ではデータセンターが増えた結果、電気代が5年前の倍以上に上がった地域もあるようだ。地域分散の必要性が訴えられており、新潟県では雪解け水を冷却に活用、温排水を農業に再利用するといった形で回している。

松江市にもデータセンターがあるとのこと。発電所が近く、空港からも比較的近いので何かあった際に駆けつけやすいのかもしれない。……案外、益田市もデータセンターに向いた立地条件かもしれない。

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2026年3月 5日 (木)

山陰のインバウンド 2025

外国人宿泊数、鳥取と島根で過去最多 鳥取は伸び率全国トップ 25年
https://www.sanin-chuo.co.jp/articles/-/960379

2025年の外国人宿泊数、
・鳥取県:198,930人
・島根県:112,110人
とのこと。
米子空港経由で訪日する関係でこういった結果となっているのだろう。中国、韓国、台湾、香港と東アジアの国が上位を占めているようだ。

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2026年2月10日 (火)

与野党2:1の構図は地方では健在? 衆議院選挙 2026.02

鳥取、比例自民票大幅減 首相政策、相いれず敬遠か 島根は中道伸び悩み 衆院選
https://www.sanin-chuo.co.jp/articles/-/946669

島根県 比例代表党派別得票
自民:132,042 中道:65,288 維新:15,239 国民:22,523 共産:12,191 れいわ:8,537 減ゆ連:3,216 参政:22,359 保守:5,400 社民:3,815

鳥取県 比例代表党派別得票
自民:81,949 中道:57,993 維新:10,703 国民:16,746 共産:8,359 れいわ:5,720 減ゆ連:2,639 参政:15,882 保守:4,523 社民:2,521


比例票ではあるが、鳥取県で中道票が健闘しているのは、石破前首相のおひざ元で高市政権への反発が強かったとみることができる。島根県だと自民と中道は2:1くらいの勢力比か。

昭和の時代、自民党と旧社会党の勢力比が2:1と言われていた。得票数≠議席数だけど、案外変わっていないのかもしれない。小選挙区制なので地滑り的勝利を収めたとも解釈可能か。

なお、チームみらいは中国ブロックに比例代表の候補を擁立していない。参政党の獲得票が維新を上回っており、指摘される右傾化は確かに認められる。

維新は都市型政党だから地方とは相いれない部分があるか。そういう意味では党勢の拡大は難しいのかもしれない。

中道は旧民主党系の賞味期限切れといった面もあるか。今回島根1区で落選した亀井氏は県西部に地盤を持つ人で、本来なら2区で出る方が戦い易かっただろう。それでも高見氏に勝てたかは分からないが。

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2026年1月31日 (土)

カテゴリーを追加する

カテゴリーに「地域総合」を加える。知識を「地域」寄りにシフトさせていこうと考えている。過疎化は進行したけれど、僕が高校生だった時期からすると質的には格段に向上していると思う。興味の方向性が拡散して既に収拾がつかなくなってきているが。戦線をむやみに拡大するのは愚策なのだけど。

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2026年1月29日 (木)

地域の文脈を読解する――山下祐介『地域学入門』

山下祐介『地域学入門』を読む。地域学を提唱する新書。歴史、地理、郷土史、民俗、社会学、生活史といった総合性を備えた概説書となっている。

兵庫県の播磨地方に6年ほど住んでいた時期があるのだけど、反省していることがある。購読していたのが(見栄を張って)日経新聞のみだったのである。地域欄も専門性が高く、地域の身近な情報を把握することができなかった。現在は山陰にUターンしているが、地方紙のデジタル版を購読している。生まれ育った土地で土地勘もあるので理解度は段違い。

人それぞれバックボーンが異なるのだけど、地域の文脈を読み解く力が必要と考える。たとえば、インフラは揃っているのに自動車専用道路で未整備区間があるため、そこがミッシングリンクとなって阻害要因となっているといったこと。個々の施策は既に打たれているケースが多いのである。地域にとって何がミッシングリンクあるいはボトルネックとなっているのか見抜くには人の持つバックボーンを活かした文脈を読解する能力が必要。

人の知識は穴だらけ。AIは何か投げかければそれに反応し知識の穴を埋めてはくれるけど、自発的には提案してくれない。

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2026年1月19日 (月)

縮小均衡路線も楽じゃない――山下祐介『地方消滅の罠――「増田レポート」と人口減少社会の正体』

山下祐介『地方消滅の罠――「増田レポート」と人口減少社会の正体』を読む。「選択と集中」は企業の事業ポートフォリオをどうするかという文脈で出てきた用語のはず。不採算事業を切り離して経営資源を自社の強みのある部門に集中投下する。結果、業績は改善し株価は上昇する。そしてそれを売り抜けて高利率の売却益を得る……という風に株主側の論理であるはず。

この「選択と集中」は不思議なほど強い説得力を持つ。ある種の殺し文句とも言えるかもしれない。だが、大艦巨砲主義が航空母艦の登場で一瞬にして過去のものとなったように局面が変われば強みが弱みにも変わり得る、最善手だったはずが悪手に変わってしまう、そういったリスクもはらんだ戦略でもある。勝利の方程式では決してない。

そういった文脈がなぜか等閑視され、政治の世界に持ち込まれてしまった……といったところか。

震災を奇貨として集住を推し進めるような発言はいかがなものかと思う。

若かった頃に経験したのだけど、縮小均衡路線の渦中にいるとどうにもしんどいのである。団塊Jr.が平均寿命を迎える頃には人口ピラミッドの歪さはある程度は解消されるかもしれないが、それまでは金銭面のみならず心理的にもかなりの負担感が伴うはず。

他、バイパス不要論だが、地域高規格道路では国道のバイパスという建前で建設されている道路もある。自動車専用道路のミッシングリンクを解消していくことが地域の再生に繋がる可能性もある。

介護に関しては家事と重なる部分も多い。末端を担う人材に関しては家庭に戻るといった選択肢もあるだろう。

道州制は平成の大合併が今一つ効果を発揮しなかったため後退したとの見方があるらしいが、もし首長を直接選挙で選出するなら、都知事選のように知名度に左右される選挙戦となるだろう。また、規模を大きくし過ぎると末端が見えにくくなるので、それこそ地域切捨てになりかねない。

提言されている住民票の二重化、これは避難世帯でまず実験的に導入して効果を測定すべきもので、一挙に導入するのは思わぬ混乱をもたらすかもしれない。

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今春からスタートする島根県立大学・浜田キャンパス・地域政策学部・経済経営デジタルマネジメントコースのカリキュラム分析の勧め

島根県立大学・浜田キャンパスの地域政策学部に今春から経済経営デジタルマネジメントコースがスタートする。カリキュラムのPDFをダウンロードして生成AIに読み込ませて分析させてみるといいかもしれない。

・経済数学(入門)、計量経済学
・統計学1・2
・データ分析(基礎・応用・活用)

といった風に量的分析をかなり重視している。データ分析は企業だけでなく自治体でも求められるスキルだろう。

また、

・コンピュータシステム(ハード&ソフト、ネットワーク&データベース)
・プロジェクトマネジメント(基礎・応用・活用)
・システム開発技術
・経営情報システム論

プロジェクトマネジメントはおそらく情報システムの設計・構築を想定した内容かと思われるが、こういった風にプログラマやシステムエンジニア方面のキャリア構築も考慮されている。文系出身のプログラマやシステムエンジニアも少なくない。

浜田市は石見地方(石央)に属するのだけど、県東部の出雲地方はIT技術者の集積地となりつつある。その方面からの求人も期待できる。

他、

・マクロ経済学、ミクロ経済学、行動経済学
・経営学、マーケティング論
・企業会計
・民法(物権・債権)、商法

といった講座も多数設けられている。近年、農業の6次産業化(1次産業×2次産業×3次産業)が謳われている。要するに生産から加工、販売まで一手に引き受けようという構想だけど、そこではマーケティングのスキルを持つ実務者の不足が課題となっているそうだ。

ちなみに、マーケターは統計ツールを使ったり、自分でプログラミングすることもあるそうだ。

他にも、様々な講座が開設されているけれど、全体として、データ分析×ITスキル×マーケティング×会計といった具合で地域で求められている実務家の卵を育成する狙いが明瞭となっている。

なお、量的分析だけでなく質的分析の講座もある。現状のコンピュータは文脈を読めないという弱点があるので、質的分析も必要なのである。質的分析はおそらく演習で地元企業と関わることで実地で学んでいくことになるのではないか。一種のフィールドワークである。

つまり、量的分析と質的分析をバランスよく学べる可能性が高い。これらのスキルは社会学や心理学、政治学などにも応用可能である。

といった訳で現代的なスキルセットを持った実務家の育成コースという意味合いが強い。そういう意味で、数学が苦手科目でないなら、思い切って飛び込んでみる価値は十分にあると思われる。


……こういうことを書くと、それを読んで影響された受験生の人生を左右しかねないのでどうかと思ったが、一応、背景についてざっと解説しておく分にはいいかと判断した。

<追記 2026.02>
経済経営・デジタルマネジメントコース、競争率は前期が1.2倍、後期が13.2倍とのこと。最初は様子見といった反応か。後期はワンチャン狙いだとか。

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2023年2月 1日 (水)

「選択と集中」は勝利の方程式ではない――増田寛也「地方消滅――東京一極集中が招く人口急減」

増田寛也「地方消滅――東京一極集中が招く人口急減」を読む。この本(電子書籍版)が刊行されたのは2015年である。文中の記述から書籍版は2014年頃出版ではないかと思われるが、2023年の今、既に8年以上が経過している訳である。2040年までは17年しかなく、具体的に想像のつく年代として視野に入ってくる。

地方消滅とあるのは、2040年に20~39歳の女性が50%以上減少する市区町村を意味する。巻末に全国各市区町村のデータが掲載されているが、惨憺たる数字である。人口再生産の基板たる若年女性が半減してしまうのである。

例えば僕の出身地である島根県浜田市だと、2010年の若年女性人口が5766人、2040年では2758人と-52.2%の減少となる。ちなみに今住んでいる横浜市都筑区は13.4%の増加となる。

出生率は沖縄の1.94から東京の1.13まで幅がある。東京が第二子をもうけ難い地域であるとは知らなかった。希望出生率は2.0を越えているが、それを阻害している要因が都市部にはあるということだ。

地方から東京への人口流入が止まらない。コロナ禍で出超となったが、2022年には入超となっている。本書では地域中核都市が人口のダムとなって、東京への人口流入を防ぐべきであるとしている。そのためには均衡な国土の発展ではなく、選択と集中が必要であるとしている。

この報告は増田レポートと呼ばれているが、他の新書を読むと選択と集中に懐疑的な論調も見られた。人口減対策として人々の活動動線集約を図るコンパクトシティ化が挙げられるが、限界集落で一軒家に住むお婆さんの人口集積地帯への移住ではなく、そこで最期を看取ってあげましょう的な論調である。

<追記 2026.01>
ただ、「選択と集中」という用語は本来は企業の事業ポートフォリオをどうしていくかという文脈で用いられたものだ。不採算部門を切り離して業績を回復させ株価を上げる。そしてその株を売って高利回りの売却益を得る、つまり株主の論理なのである。

この「選択と集中」は不思議なほど強い説得力を持つ。だが、かつて大艦巨砲主義が航空母艦の登場で一瞬にして過去のものとなったように局面が変われば最善手だったはずのものが悪手となってしまうリスクもはらんでいる。勝利の方程式では決してない。

なのにどういう訳か文脈が等閑視されて政治の世界に持ち込まれてしまった……といったところか。政治家や官僚ですら疑うことなく口にしている訳だから。

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