下北沢の本多劇場で演劇を鑑賞 2024.09
下北沢の本多劇場に行く。キ上の空論「獣三作 三作め 緑園にて祈る その子が獣」を見る。タイトルの獣はキリスト教、聖書的な意味での獣に近いニュアンスかもしれない。タイトルからすると三部作の第三作目と思えるので、ストーリーを把握できるか不安だったが、その点では問題なかった。上演時間約2時間15分の一幕もの。
舞台は孤島。語り部は主人公の娘。主人公の母はカルト宗教の熱心な信者か教祖らしく、主人公は母親の強い抑圧下にある。そういう状況で小3→小6→高校生と主人公の人生のステージが進んでいき、やがて主人公は島を出て東京に行き……というような粗筋。
主人公の人生のステージが次々と入れ替わっていく。なので、舞台装置は基本的には最小限で構成されている。椅子と机、その他毛布など。他に天井から吊るされるものもあるが。ステージ奥でギターがBGMを奏でている。時々爆音になってドキッとする。
事前に情報を仕入れないで映画を観たりするのだけど、本作は登場人物も多く、内容を把握するのに時間がかかった。特に難解な作品という訳ではないが、僕のような一見さんには優しくなかったかもしれない。
本多劇場は中規模クラスの劇場。舞台専用の施設だった。天井は同じくらいの規模の映画館よりも高かった。それにどういう意味があるのかは分からない。これくらいの規模が演劇にはちょうどいいのだろうか。昼の上演だったが客席は9割がた埋まっていた。ただ、施設そのものは古いと思われ、シートの座面がクッションの厚みの割に具合が悪く、尻がすぐ痛くなってしまった。
下北沢の演劇も駅前劇場、本多劇場各一回とアリバイ程度にしか経験できなかった。もしかして自分は自分で思っているよりもライブパフォーマンスが好きなのではないかと思うようになったのがここ数年だから仕方ないのだが。
| 固定リンク