書籍・雑誌

2022年5月12日 (木)

グランドセオリー的スケール感――松村一男『神話学入門』

松村一男「神話学入門」を読む。神話学は言語学との関連性が大きくグランドセオリー的なスケール感がある。本書では19世紀と20世紀の神話学者、マックス・ミューラー、フレイザー、デュメジル、レヴィ=ストロース、エリアーデ、キャンベルの6人を取り上げる。19世紀の神話学の背景には比較言語学や進化論がある。一方で二十世紀に入ると、精神分析や構造言語学が理論的支柱となってくる。読みたかったのはバナナ型とかハイヌウェレ型といったタイプ別の分類だったのだけど、学説史という点で興味深かった。

|

2022年5月 9日 (月)

具体的事例多し――澤渡貞男『ときめきの観光学 観光地の復権と地域活性化のために』

澤渡貞男『ときめきの観光学 観光地の復権と地域活性化のために』を電子書籍版で読む。観光学の教科書だが、具体的事例が多く分かり易かった。例えば、地域伝統芸能等を活用した行事の実施による観光及び特定地域商工業の振興に関する法律、通称おまつり法については制定当初、民俗学者の猛反発があった。観光業者との思惑の違いという点で掘り下げてくれれば良かったと思う。

これらの行事、祭り、上演などは地域の人々にとって心のふるさと的な意味合いのものが多く、実施によって、地域の人々の思いは一応の完結を見るのであるが、それを広く紹介し、その心や、美しさを共有することも体験として意味あることと言わねばならない。そして、モノから精神的なものに国民の関心がシフトしつつある今日においては、このような体験を求める旅行者が多くなってきているのである。

民俗学者たちは芸能が本来の目的を離れて、ステージにおいて第二義的な文脈で演じられることに一様に反対の声を挙げたのである。

|

2022年4月 4日 (月)

5600ページもある

電子書籍で森鴎外全集を買う。5600ページもあるので通読は無理だろう。舞姫あたりを読んでみたい。自分、石見をテーマにしつつ鴎外は読んでなかったのである。高校生のときにちらりと見て、こりゃ無理だわと思ったのである。子供向けの山椒大夫くらいか。

|

2022年4月 1日 (金)

岩戸神楽に限らず――泉房子『<岩戸神楽>その展開と始原 周辺の民俗行事も視野に』

泉房子『<岩戸神楽>その展開と始原 周辺の民俗行事も視野に』を読んだ。岩戸神楽に限らず、山形県、島根県、岡山県、福岡県、大分県の神楽が取り上げられている。神楽面の写真が多い。神楽だけでなく仏教の修正会の追儺や傀儡子も取り上げられていて参考になる。演劇的な神楽はやはり江戸時代に演じられる様になった。これが吉田神道の裁許状と相関関係にあるのかまでは分からないが、関連があるかもしれないと思わせる。中央で取り入れられた修正会が全国に伝播して、そこから鬼のイメージが広がったのかもしれない。

|

2022年3月31日 (木)

AmazonのKindleストアで電子書籍をセルフ出版してます

AmazonのKindleストアで下記の電子書籍をセルフ出版しています。

(石見の文芸シリーズ)
石見の姫神伝説:乙子狭姫、胸鉏比売、天豊足柄姫命、櫛代賀姫命など
https://www.amazon.co.jp/dp/B09BM11H6G/
石見の伝説:伝説の地を巡る
https://www.amazon.co.jp/dp/B09RJZVPQF/
神楽と文芸(総論): 石見神楽、芸北神楽、神代神楽、太々神楽など
https://www.amazon.co.jp/dp/B09MRFXFWS/
神楽と文芸(各論):神楽の重要演目・人気演目
https://www.amazon.co.jp/dp/B09PH6L1RG/
神楽と文芸(各論2):鬼退治
https://www.amazon.co.jp/dp/B09TK1GZ4R/
神楽と文芸(各論3):神話・歴史・エトセトラ
https://www.amazon.co.jp/dp/B09WW1R6N6/
(その他)
ブログから電子書籍までニッチ戦略の執筆術
https://www.amazon.co.jp/dp/B09RTZHP4K/

価格はいずれも250円。キンドル・アンリミテッド会員なら無料で読めます。

|

Amazonで電子書籍をセルフ出版しました その7

AmazonのKindleストアで下記の電子書籍をセルフ出版しました。

神楽と文芸(各論3)
https://www.amazon.co.jp/dp/B09WW1R6N6/

価格は250円。アンリミテッド会員なら無料で読めます。4/1(金)17:00~4/4(月)16:59まで無料キャンペーンを行っています。

|

2022年3月14日 (月)

英語版をリリースする(お題記事)

"Legends of the goddesses of the Iwami region"「石見の姫神伝説(英語版)」がAmazon.com他で発売となった。3月2日に出版申請したのだけど、その後、72時間経過しても発売されない。ASINは割り振られたので、発売拒否ということではなさそうだ。タイトルが日本語版の英訳と被るのかと思って、タイトルと表紙の差し替えをおこなった。が、それから48時間経過しても動きが無い。サポートにメールを送って何が問題なのか調査してもらった。何か差別的なもしくは卑猥な記述があっただろうかと思った。

結果、言語設定が"en-us"とすべきところを"ja"のままとなっていたからだった。EPUBファイルはでんでんコンバーターで作成したので、xhtmlまでは確認してなかったのである。ここで以前にインストールしていたSigilが役に立った。SigilはEPUBを開いてxhtmlファイルや設定ファイルの修正が可能なのである。

英語版は伝説の粗筋の抜粋のみとしている。細かい解説をしても伝わらないだろうと思ったから。その代わりに写真はふんだんに使った。実際にイメージしてもらいたかったのである。

英語がネイティブの人は4~5億人に達するとされる。英語を使える人なら20億人いるらしい。日本より格段にマーケットは広がるけど、日本の島根県石見地方の伝説というどローカルなネタが題材だから、販売はあまり期待できなさそうだ。

翻訳は昨年春に英訳したものを流用した。翻訳自体はGoogle翻訳で行った。長文になると訳が微妙になるので、できるだけ短文に区切るよう日本語の方を修正した。僕は英語が話せる訳でもないし、ろくに読めもしないが、辞書を引きつつ作業したのである。

ちなにみTIN番号がないので、米国では30%源泉徴収される。手間を考えると仕方ない。

|

2022年3月 7日 (月)

各論2は星三つ

神楽と文芸(各論2)に星三つがついていた。これは無駄に長いので仕方ないか。感覚的なものだが、わずかながらも固定読者がついているのかもしれない。辛口の読者だが。

|

2022年3月 4日 (金)

誤配は必要――東浩紀「ゲンロン戦記」

東浩紀「ゲンロン戦記」を読む。批評家の東浩紀がゲンロンという会社を立ち上げた顛末が記されている。経理を人任せにしていたら使い込みされていたとかそんな失敗話が多い。東氏は経営の専門家ではないから、脇の甘さにつけ込まれたというところか。それでも、放漫経営下のアイデアとして出されたゲンロンカフェが収益を生みだすようになっていく。

東氏は誤配という概念を多用する。あるメッセージが誤って本来伝えられるべきでない人に伝わってしまうという状態を指したものだが、誤配が着想の源になるとしている。

東氏はゲンロンの10年間で疲弊した。その時間を純粋な思考に当てるべきだったとも言えるかもしれない。が、東氏はそうは考えない。現状、コロナ禍でオンラインでの対面が増えているが、本来は顔を突き合わせて語るべきだと考えているのである。そこで誤配も生じる。

|

2022年3月 3日 (木)

移行する気はないが――コグレマサト/まつゆう『noteではじめる新しいアウトプットの教室』

コグレマサト/まつゆう『noteではじめる新しいアウトプットの教室』を読む。WEBサービスのnoteの概説書。noteは使っていないので様子見だが、タイムラインがあってブログとSNSの中間の様な存在であることが分かった。

僕自身は現在、本館、写真館、新館、別館とブログを四つ持っているので、noteに移行するつもりはない。まあ、投げ銭機能があるのが魅力といえば魅力だろう。

なお、価格設定によっては情報商材的な売り方もできるようだ。規約で情報商材は禁じられているとのことだが。

noteにはカテゴリーが無くて、ハッシュタグで分類するとのことである。ブログもそうなのだけど、noteもおそらくログ形式だろう。ログ形式だと自分の思うような目次ページができないという欠点がある。そこはマガジンで補うのだろうか。

……よくよく考えると、ブログ的な運営をしつつ、フォロワー数を気にしたりとなる。却って神経を使うことになる訳だ。

<追記>
主なコンテンツである島根の伝説や神楽はブログで書き切った。昔話にこれから手をつけるつもりだけど、これも口承文芸というくくりでいうと伝説と一緒に扱った方がいい。

もしnoteをはじめるなら全く新規のジャンルでとなるのだけど、これが思いつかない。

|

より以前の記事一覧