3.11の災害エスノグラフィー
NHKスペシャル「語れなかったあの日 自治体職員たちの3.11」を見る。宮城県下の自治体職員たち1000人規模で聞き取り調査が行われてきたのがまとめられたものとのこと。文化人類学の手法を元にした災害エスノグラフィーという分野とのこと。途中、『翔べフェニックス 創造的復興への群像』という阪神淡路大震災での経験をまとめた本が紹介される。Amazonで確認したら絶版本で古本も売ってなかった。
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NHKスペシャル「語れなかったあの日 自治体職員たちの3.11」を見る。宮城県下の自治体職員たち1000人規模で聞き取り調査が行われてきたのがまとめられたものとのこと。文化人類学の手法を元にした災害エスノグラフィーという分野とのこと。途中、『翔べフェニックス 創造的復興への群像』という阪神淡路大震災での経験をまとめた本が紹介される。Amazonで確認したら絶版本で古本も売ってなかった。
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「NHKスペシャル 驚異の庭園 ~美を追い求める 庭師たちの四季~」をNHK+で視聴する。安来市の足立美術館と京都市の桂離宮の一年が取り上げられる。米国の日本庭園雑誌で1,2位を競い合う庭園。足立美術館は5人の庭師たちが庭園を管理する。自分たちは影の存在で本来なら取材されたくないと言う。桂離宮では宮内省の技官が師弟関係を組んで技術を継承している。庭師は毎年入札で入れ替わるとのこと。米国では日本庭園を取り入れる施設が増えているとのこと。心の癒し効果が評価されているらしい。
足立美術館には行ったことがあるのだけど、月山富田城には行ったことがない。安来はちょっと遠いと感じる。
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NHK+で「ザ・バックヤード 知の迷宮の裏側探訪 国立国会図書館」を見る。蔵書数日本一。4700万点を誇る国会図書館。国会議事堂の隣に国会図書館・東京本館はある。1948年(昭和23年)以降の日本で発行された全ての出版物を収集。
ナレーターは中村倫也。案内人はラパルフェの都留拓也。総務部広報担当の女性がガイド役。
バックヤードを探検。国内資料課(収集書誌部国内資料科)で納本受付の業務を見学。毎朝、出版取次から送られてきた書籍を受け入れる(※出版取次が出版社に代わって一括納本する)。国立国会図書館法では日本国内で発行された全ての出版物はその出版社が国立国会図書館に納める義務があるとされている。
1948年に設立、国会活動の補佐を目的の一つとして設立された。他、資料・情報の収集・整理・保存、情報資源の利用提供、各種機関と連携協力にあたっている。本・新聞・雑誌・地図、CD、DVDなどが対象。一日に届く資料は約3,000点。一年で約80万点が届く。
本が届くとすぐに汚れや破れがないかを一冊一冊手作業でチェックする。落丁があった場合は完全な状態の本を納め直してもらう。完全な形で未来へ残すため。
膨大な資料の整理にはデータの作成が欠かせない。膨大な蔵書の中から利用したい本にたどり着くにはデータ作りが大切。利用する際に端末で検索するが、その際にデータが必要となる。
データ作りには記述と主題という二つの作業がある。記述は本のタイトル、作者、出版社など基礎的な情報。主題は本のテーマを表す件名を入力する。件名が検索に役立つ。件名は目的の本にたどり着くために本の内容をわかりやすくキーワードで表したもの。
たとえば「広辞苑」なら「日本語―辞書」と表す。気になるテーマの本が見つけやすくなる。テーマを要約して的確に過不足なく表現するのが難しい。本によって異なるが、一冊で5分から15分くらいかける。経験を積むと本を全部読まなくても短時間で件名がつけられるようになる。秘訣としてタイトル・目次・序文・後書きなどを読んで判断している。
たとえば「食べる経済学」という本だと経済学という件名もあるが、それだと広すぎるので絞り込んだ件名を考えていく。前書きや目次から農業経済学と判断、食べることにまつわる社会問題を扱っていると判断する。件名は「食料問題」となった。
1語で表せないときは3語・4語で表しより幅広い検索に対応する。困ったときは職員同士で話し合い適切な言葉(件名)を考える。国内資料課の約30人の職員で膨大な本を整理、データ作成をしている。
次に書庫に向かう。新館は地下1階から地下8階までが書庫になっている。地下8階分が全て書庫。新館の書庫は東西に約135m、南北で約43mある。ワンフロアの面積や約1800坪。本館と新館の書庫に置かれた本棚を繋ぎ合わせると約412㎞。東京から大阪までの直線距離に匹敵する。
書庫の中は資料を管理するため、年間を通じ温度約22℃・湿度約55%を目安に大きな変化がないように調整されている。地下に書庫を作る理由は地上に比べて地震の揺れが少ないから資料の落下などの被害を抑えることができるため。
資料を守るための仕組みとして外壁と書庫の間にスペースを設けた二重構造になっている。外壁との間にスペースをつくることで書庫内の温度・湿度が外気からの影響を受けない。万が一外壁から雨水が入り込んでもこの空間でストップさせる造りとなっている。大切な資料を守るため徹底管理して保存している。
雑誌「女性自身」が紹介される。そのままの状態のものと表紙がつけられたものとがある。出版物が痛むのを防ぐため、硬い表紙をつけて保存している。継続して収集することで時代の証が見えてくる。「女性自身」1963年(昭和38年)11月25日号ではオフィスレディ、略称OLという今ではおなじみの和製英語が投票で決定、誕生したことが分かる。1963年は東京オリンピックを翌年に控え日本では好景気で女性の社会進出が進んだ。時代の空気感まで伝わる。
1979年(昭和54年)11月に出た雑誌「ムー」の創刊号も紹介される。1979年にはアメリカの惑星探査機ボイジャー1号が木星の撮影に成功、当時は空前のUFOブームだった。
古い時代の資料も数多く所蔵されている。国会図書館は明治時代の帝国議会内貴族院・衆議院の図書館と国立の帝国図書館を源流とするため1948年より前の資料も数多く所蔵している。
1906年(明治39年)発売の「美観画報」という雑誌が紹介される。100年以上前の本が完全な状態で残っている。明治末期の雑誌に載っているのは芸者のグラビア写真。
レコードや楽譜も所蔵している。例としてドラマ「ブギウギ」のモデルとなった笠置シズ子の楽譜(スヰングアルバム:1948年発売)が紹介される。SPレコードの復刻盤(アナログレコード)も紹介される。
国会図書館は日本の文化的資産の宝庫でもある。
書庫の主役は資料。人間にとって必要なトイレがない。書庫への浸水を防ぐため。トイレは地上階まで行かなければならない。水分の持ち込みも禁止。水分補給も地上階へ。
職員のことも考え、書庫中央には地下1階から8階まで吹き抜けになったスペースがある。自然光が差し込んでいる。この空間をつくった理由として、地下で働くスタッフのストレス軽減、停電時の備えが挙げられる。
東京本館の他、京都の関西館、上野の国際子ども図書館の三館がある。関西館は2002年(平成14年)に開館した。膨大に増え続ける資料の保管にも役立つ。2020年(令和2年)に完成した書庫棟には資料を守る最新の機能を備わっている。書庫には通気性を良くしてカビなどを防止するための穴が開いている。本の大敵であるカビの発生を防ぐ。他に、震度4以上の揺れを感知すると自動的にストッパーが跳ね上がり本の落下を防止する書棚となっている。
関西館の書庫には研究者が博士の学位を取得する際に大学などに提出する博士論文が所蔵されている。博士論文は1974年度(昭和49年)まで文部省(当時)に提出していた。その論文が国立国会図書館に移管された。1975年度(昭和50年)以降は大学から直接論文を収集、関西館で60万人以上の論文を所蔵している。手塚治虫(医学博士)の論文を入れた封筒が紹介される。日本で初めてノーベル賞を受賞した湯川秀樹の博士論文(1938年/昭和13年)も紹介される。日本の知の財産を継承している。
未来へ引き継ぐ一大プロジェクトとして資料を末永く保存し未来へ引き継ぐ取り組みが行われている。暗幕で仕切られた薄暗い部屋の中へ入ると資料を撮影する機械が紹介される。
資料を永く保存し次の世代に引き継げるようにデジタル化を進めている。電子情報部電子情報企画課資料デジタル化推進室の女性が案内する。
地道な作業。カメラで1ページずつ撮影して保存する。真ん中(ノド)に文字や絵がある資料は撮影することが難しい。普通に読もうとしてもなかなか読むことができなかったりする。本のページの内側は曲がって見えにくい。ガラス板で押さえるだけでは文字が読めない。
このようなときは定規などを使って撮影する。定規を使う前に真ん中の中央部分の凹んでいる部分に板を差し込んで真ん中部分を浮き上がらせる。そしてページ数の少ない左側を浮かせるために下にスポンジを敷く。スポンジの板を使い左右のページの高さを調整する。水平にしたら定規を当てて文字が見えるように紙を伸ばす。ガラス板で平らな状態にしてようやく準備完了。撮影すると真ん中の文字が見えるようになる。調整後は文字が隠れずに映っている。
全部のページでこの作業を行う。デジタル化は情報の漏れがないように全ページを正確に撮影する。
デジタル化の工夫としてVの字の機械が紹介される。機械には2台のカメラが装着されており、Vの形をした撮影台となっている。用途として劣化した資料、背の部分が壊れる可能性があるものを撮影するのに使う。開き切らずに資料を置くことができる。2台のカメラで撮影して見開き1枚の画像に合成する。資料の状態に合わせたデジタル化の設備が整えられている。
大きな資料を撮影するための大型の機械も紹介される。地図などかなり大きな資料でもページ全体を一回で撮影できる。デジタル化を行うことで資料原本を書庫から出す必要がなくなり良い状態で後世に残せる。また、インターネットで資料がどこからでも便利に見られる。2023年11月末現在、約365万点のデジタル化作業が終了している。資料の保存と利用のために日々作業を行っている。国立国会図書館ならではの使命に大きく貢献。
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NHK+でさんいんスペシャル「コウケンテツの日本100年ゴハン紀行~冬の日本海を味わう!」を見る。料理研究家のコウケンテツ氏が案内役。島根は初めてだそう。美保関漁港からスタートする。漁港で獲れたての魚を近所の旅館(かつては廻船問屋だった)で味わう。イカづくしと刺身盛りがふるまわれる。次に大根島へ移動。サルボウガイの煮つけがふるまわれる。中海のサルボウガイは絶滅したとされていたが、近年ごく少数が生息していたのが発見され復活したとのこと。次に鹿島町に移動。サバの塩辛がふるまわれる。サバの身とはらわたを三か月かけて熟成させる。それから大田の和江漁港に移動。「ひか焼き(へか焼き)」がふるまわれる。魚介のすき焼き。具材はアンコウ、アナゴ、ノドグロ、シロガレイ。最後に津和野へ移動。うずめ飯がふるまわれる。津和野の家庭ではわさびを入手したときに作るとのこと。すりおろした地元産のわさびを茶碗に入れ、具で埋めて更にご飯を盛るという順で出来上がり。わさびは高級品だったので(※津和野版が倹約を奨励していた)分からないように食べていたのが始まりとのこと。
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NHK+で「NHKスペシャル まちづくりの未来 ~人口減少時代の再開発は~」を見る。冒頭で秋葉原の電気街が紹介される。建物が老朽化し、高層ビル化の計画が立てられているとのこと。秋葉原の魅力は雑居ビルに個人商店が入居した雑然とした感覚にあるので高層ビル化には反対意見もあるとのこと。
高層ビルを建て、新たに増えたフロアからの収益と補助金とで再開発費用を賄うのが現在の再開発の主流だが、コロナ禍以降、入居率の低下と世界的な資材費の高騰とで計画の見直しを迫られている都市も多いとのこと。
福岡市は九州一の都市としてアジアの金融センターとしての地位を確立することを狙っている。一方で、東京の湾岸エリアでは高層ビルの入居率の低下に苦しんでいる。福井市も住民主導で進む地区の再開発は資材の高騰で計画の見直しを余儀なくされた。
一方、神戸市では三宮周辺にタワーマンションの建設を規制する条例を施行した。阪神淡路大震災の経験から一極集中を避け面での再開発を目指している。市長は人口減少は避けられない流れとし、短期的な人口増加策より長期的な視点で取り組むべきとする。
下北沢は再開発の計画が持ち上がる度に住民の反対運動が起こる町だが、鉄道の地下化による再開発が進んでいる。負担できる範囲でのテナント料に合わせた小さな面積の店舗が多く設けられている。
岩手県紫波町では日本一高価な雪捨て場と揶揄された町有地にまずサッカー場や役所や図書館といった人が集まる施設を建設し、それからテナントを募った。結果、年間100万人の訪問者が来る地区となった。地価も30%上昇した。
……といった事例が紹介された。経済合理性で言うとコンパクトシティ化なのだが、短期的にはそこに住む住民がいて居住の自由もある。短期的な視点と長期的な視点をどう結合させるかが問題とする、また高度成長期から開発に対する基本的な方針が変わっていないとする解説員がいた。他の解説員は再開発がブラックボックス化していて住民の多様な声が反映されていない。反映されるように変えていくべきだとした。また、床に対する需要が減っていくのだから減築利用も進めていくべきだとした。別の解説員は若者に自分たちの力で社会が変わっていく体験をさせたいと語っていた。
……以前、経済系の週刊誌で読んだのだが、不動産業の人たちはタワーマンションをお勧めしていなかった。災害に弱いといった理由からだろう。タワーマンションに住む人は要するに通勤時間を減らしたいのだろうから一概に言い切れるものではないが。
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NHKスペシャル「お祭り復活元年~にっぽん再生への道~」を見る。四つのお祭りが紹介される。コロナ禍で中断の憂き目に遭っていたが、今年になって復活した。事例の一つとして宮崎県の高千穂神楽が取り上げられていた。インバウンドにノウハウを持つ女性が神楽を活性化させていた。欧米から来た女性客たちが夜神楽を見るという趣向で好評だった。
全体的にSNS、メタバースを利用する。地域外からリモートワークで移住して来た人達も祭りに参加してもらうという方向性だった。
お祭り、去年から復活したところも多いと思うが、本格的な復活は今年からになると思う。身体を悪くしたので以前の様に長時間の鑑賞ができないのが残念である。
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NHKスペシャル「震災12年 復興の地図 ~“希望の芽”を探して~」を見る。東日本大震災の被災地は数十年後の未来の鏡となっているとしている。国勢調査を元にデータを詳細に分析、人口が増加している地域を取材している。
女川町では「還暦以上は口を出さず」60歳以上は口出しをしないとのスローガンで、若手に裁量を委ねる方針とのこと。更に起業家を支援している。また、石巻市では工場と保育所を隣接させた水産加工業者で若い女性の就職が増えたとのこと。人口が増加している地区では外国人技能実習生が増えているという。また、有望な若手社員に裁量を委ねて新商品開発などを担当させている。建設業では復興のノウハウとデジタル技術をかけあわせて他地域にも展開する。福島県では研究者や技術者の人口が増加している。また、南相馬市にロボット研究の施設を建設、地元企業とベンチャー企業との取引額が増えているとのこと。大槌町では小中学校を再編しつつも教育支援のNPOなどと連携し教育に力を入れている等が取り上げられた。一見ネガティブに見えても、そこには再生のヒントが隠されているとのこと。
口頭で言われたことがあるのだが、福島県は宮城県と栃木県に挟まれた地域で、他県との競争が激しいらしい。ただ、山陰に比べて製造業は比較的あるのではないかと思う。
僕ももはやシニアの世代なので新しい発想とかは生まれてこない。若い人の裁量を認めるとか、ベンチャー企業との取引を増やすとか、そういう地道な努力が各地方にも求められているのだろう。
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千葉雅也「メイキング・オブ・勉強の哲学」を読む。僕はアウトライン・プロセッサは普通に使えるが(使えない人いるか?)、マインドマップは上手く使えない。図解するのも苦手である。ここら辺、線形な思考ということらしい。
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ゲキ×シネ『狐晴明九尾狩(きつねせいめいきゅうびがり) 』を港北ノースポートモールで見る。劇団☆新感線の作品。演劇を映画館で観劇するのは初めて。が、一幕、二幕とも睡魔に襲われて寝てしまった。このところ「犬王」「東京オリンピック2020 SIDE:B」と寝てしまっているので、三連続で寝てしまったことになる。調子が悪いのか。
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(フロントランナー)脚本家・渡辺あやさん 物語を紡ぐ、旗を掲げて
https://digital.asahi.com/articles/DA3S15137795.html
(フロントランナー)渡辺あやさん 「楽しく伝える。自分も本気で楽しんでいます」
https://digital.asahi.com/articles/DA3S15137884.html
島根在住の脚本家である渡辺あやさんを取り上げた記事。渡辺さんは例えば映画「天然コケッコー」の脚本を担当された。僕自身は未見であるけどNHKの朝ドラマ「カーネーション」で高い評価を得ている。オリジナルドラマの枠が少なくなった近年ではオリジナル脚本にこだわっているそうだ。
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