映画・テレビ

2023年5月14日 (日)

三年ぶりに復活した祭り

NHKスペシャル「お祭り復活元年~にっぽん再生への道~」を見る。四つのお祭りが紹介される。コロナ禍で中断の憂き目に遭っていたが、今年になって復活した。事例の一つとして宮崎県の高千穂神楽が取り上げられていた。インバウンドにノウハウを持つ女性が神楽を活性化させていた。欧米から来た女性客たちが夜神楽を見るという趣向で好評だった。

全体的にSNS、メタバースを利用する。地域外からリモートワークで移住して来た人達も祭りに参加してもらうという方向性だった。

お祭り、去年から復活したところも多いと思うが、本格的な復活は今年からになると思う。身体を悪くしたので以前の様に長時間の鑑賞ができないのが残念である。

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2023年3月13日 (月)

再生のヒント

NHKスペシャル「震災12年 復興の地図 ~“希望の芽”を探して~」を見る。東日本大震災の被災地は数十年後の未来の鏡となっているとしている。国勢調査を元にデータを詳細に分析、人口が増加している地域を取材している。

女川町では「還暦以上は口を出さず」60歳以上は口出しをしないとのスローガンで、若手に裁量を委ねる方針とのこと。更に起業家を支援している。また、石巻市では工場と保育所を隣接させた水産加工業者で若い女性の就職が増えたとのこと。人口が増加している地区では外国人技能実習生が増えているという。また、有望な若手社員に裁量を委ねて新商品開発などを担当させている。建設業では復興のノウハウとデジタル技術をかけあわせて他地域にも展開する。福島県では研究者や技術者の人口が増加している。また、南相馬市にロボット研究の施設を建設、地元企業とベンチャー企業との取引額が増えているとのこと。大槌町では小中学校を再編しつつも教育支援のNPOなどと連携し教育に力を入れている等が取り上げられた。一見ネガティブに見えても、そこには再生のヒントが隠されているとのこと。

口頭で言われたことがあるのだが、福島県は宮城県と栃木県に挟まれた地域で、他県との競争が激しいらしい。ただ、山陰に比べて製造業は比較的あるのではないかと思う。

僕ももはやシニアの世代なので新しい発想とかは生まれてこない。若い人の裁量を認めるとか、ベンチャー企業との取引を増やすとか、そういう地道な努力が各地方にも求められているのだろう。

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2022年7月10日 (日)

自分は線形な思考――千葉雅也「メイキング・オブ・勉強の哲学」

千葉雅也「メイキング・オブ・勉強の哲学」を読む。僕はアウトライン・プロセッサは普通に使えるが(使えない人いるか?)、マインドマップは上手く使えない。図解するのも苦手である。ここら辺、線形な思考ということらしい。

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2022年6月25日 (土)

寝てしまう――ゲキ×シネ『狐晴明九尾狩』

ゲキ×シネ『狐晴明九尾狩(きつねせいめいきゅうびがり) 』を港北ノースポートモールで見る。劇団☆新感線の作品。演劇を映画館で観劇するのは初めて。が、一幕、二幕とも睡魔に襲われて寝てしまった。このところ「犬王」「東京オリンピック2020 SIDE:B」と寝てしまっているので、三連続で寝てしまったことになる。調子が悪いのか。

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2021年12月11日 (土)

島根から

(フロントランナー)脚本家・渡辺あやさん 物語を紡ぐ、旗を掲げて
https://digital.asahi.com/articles/DA3S15137795.html
(フロントランナー)渡辺あやさん 「楽しく伝える。自分も本気で楽しんでいます」
https://digital.asahi.com/articles/DA3S15137884.html

島根在住の脚本家である渡辺あやさんを取り上げた記事。渡辺さんは例えば映画「天然コケッコー」の脚本を担当された。僕自身は未見であるけどNHKの朝ドラマ「カーネーション」で高い評価を得ている。オリジナルドラマの枠が少なくなった近年ではオリジナル脚本にこだわっているそうだ。

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2021年12月10日 (金)

お囃子の稽古場面あり――月がきれい

バンダイチャンネルでアニメ「月がきれい」第三話を見る。この作品、舞台が川越市で、オープニングに天狐が登場するので神楽かなと思っていたのだが、この回で神社の神楽殿でお囃子の稽古をする場面があった。関東の里神楽だと囃子連から神楽の世界に入るパターンが多いそうだ。

<追記>
その後のエピソードで川越祭の描写があった。中学三年生の主人公は天狐に扮して山車の上で舞う。動く山車の上で舞うのは難しいだろう。

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2021年12月 7日 (火)

アメコミ映画批判と石見系神楽ショー化批判の比較

「ピアノ・レッスン」監督、アメコミ映画を批判「どこが魅力的なのか理解できない」
https://news.yahoo.co.jp/articles/921a866021da2b13055406bab9a0620fb5ad38ac
スコセッシ監督、マーベル作品を再度批判「あれは映画ではない」「侵略されている」
https://eiga.com/news/20191015/18/?cid=news_20211207_6_1

映画監督の名匠がアメコミ映画を批判したというニュースを読む。僕も10年以上前に「スパイダーマン」や「デアデビル」といったアメコミ原作映画を見た。その頃からアメコミの映画化が盛んになり、今では映画館の常連と化している。トレイラー映像で見ないことはないくらいの勢いだ。

ところで「映画ではない」というこのアメコミ映画批判、石見系神楽の批判と似ていないだろうか。石見系神楽に関しては「ショーである」という批判がつきまとう。

石見神楽ショー化批判は文献では牛尾三千夫「神楽と神がかり」に見ることができる。他、岩田勝「神楽新考」のあとがきで、岩田は牛尾に同調している。文献で確認できるのは、これが代表といっていいだろうか。

アメコミ映画批判の場合は論争となっているらしい。

著名な映画監督たちが相次いでマーベル映画を批判してるけど、どうなのよ?
https://www.gizmodo.jp/2019/10/anti-marvel.html

石見系神楽批判に関しては論争が起こった形跡は見られない。当時の民俗学者たちは本質主義に立脚していて真正性(オーセンティシティ)重視だったので、反論する人がいなかったのだろう。二十一世紀に入って若手学者で八調子石見神楽や芸北神楽を研究の対象とする人が出てきたのであるが、明確に論じたものは少ない。

・川野祐一朗「民俗芸能を取り巻く視線―広島県の観光神楽をいかに理解すべきなのか」『森羅万象のささやき 民俗宗教研究の諸相』(鈴木正崇/編、風響社、2015)711―728頁。

・諏訪淳一郎「『石見神楽』―民俗芸能の現在進行形として―」『総合政策論叢』第三号(島根県立大学研究活動・総合政策学会/編、2002)pp.47-60

くらいか。川野論文は書籍に掲載されたものなので、国会図書館の遠隔複写サービスでコピーしてもらう際、著作権の関係で半分までしかコピーできない制約がある。

老いた人が新しいものを受け入れられなくなることはよくあることだし、評論家によって酷評された作品がその後大衆的な人気を得ることも珍しくない。

ここで宣伝。

神楽と文芸(総論)
https://www.amazon.co.jp/dp/B09MRFXFWS/

石見系神楽のショー化批判を考察した電子書籍です。

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2021年12月 2日 (木)

韋駄天の末裔

港北ノースポートモールに行き、映画「神在月のこども」を見る。公開最終日だった。母に死なれて走る意味を失った少女(韋駄天の末裔)が神在月の出雲に神々の馳走を運ぶため、ひたすら走るという内容。島根が舞台となっているので、見てみた。走ることに対する少女の葛藤がテーマ。作画はそれほど良いとは思わなかった。ライデンフィルムの作品を見るのはこれが初めてだろうか。京都アニメーションから移籍した人が演出の重要なポジションについていた。

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2021年11月 8日 (月)

「鬼滅の刃」竈門炭治郎 立志編を観る

「鬼滅の刃」竈門炭治郎 立志編をバンダイチャンネルで視聴する。これまでは総集編しか見てなかったのである。なぜ鬼滅を取り上げたかというと、石見神楽で鬼退治は人気があり……というのは嘘で、鬼滅の話題を書いたらいいんじゃないかというアドバイスを頂いてのもの。

鬼滅、映画が超大ヒットしたのだけど、ジャンプには人気作品が沢山ある。その中で鬼滅だけが突出した結果を出したのは何故だろうと思って劇場に行ったのである。気づいたのはキッズ層が多いこと。アニメは深夜に放送されていたから、おそらくティーンエイジャーを狙っていたと思われる。ところがネット配信でキッズ層まで人気が広がった。これでお父さんお母さん層が子供を連れて映画館に来る形になった。

で、実際に映画を見たのだけど、隣の席の小学生(女子)が号泣していた。つまり、それだけ感情移入させる展開、出来栄えだったのである。僕はジャンプ黄金期の読者でもあるけれど、聖闘士星矢で例えると、人気実力ともに一流の黄金聖闘士が序盤で雑魚にやられて退場するくらいショッキングな展開なのである。煉獄さん四百億の男と言われているそうだけれども、死にざまが見事であった。

鬼滅の刃には神楽の要素もあるのだけど、あれはどこの神楽がモデルなのだろう。鬼滅の刃を神楽化しても面白いんじゃないかと思うけど、原作者が許可を出すかどうかは全く不明である。

調べてみると、原作者は福岡県出身の様なので、石見神楽/芸北神楽が受け入れられる素地はあるのではないか。

僕自身の感想としてはアニメ本編より、原作者がデビュー当時、担当の編集から漫画のノウハウを注入されたというエピソードの方に興味がある。

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2020年5月30日 (土)

初恋の人が去る――日本古典文庫「源氏物語」「薄雲」

日本古典文庫「源氏物語」「薄雲」を読む。明石の君はなかなか姫君を手放そうとしない。光源氏は二条院で袴着の式を催す。それで姫君は紫の上が養育するようになるが、姫君は紫の上に懐く。太政大臣(左大臣)が亡くなった。更に藤壺が病となり亡くなってしまう。源氏は悲しむ。藤壺と縁のあった僧都が冷泉帝の隠された出生の秘密を打ち明ける。帝は罪の意識にとらわれる。そのことを察した源氏は出世を固辞する。一方、斎宮の女御が二条院に移ってきた。養女とした斎宮であるが、源氏は心が動くことを感じる……という内容。

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