山陰の貿易に関する論文を読む
渡邊英俊「グローバル化時代の山陰経済―境港における国際物流を中心に―」『山陰研究』(6)を読む。
山陰でグローバルゲートウェイ機能を有する港湾・空港は境港、浜田港、三隅港、米子空港の四つ。三隅港は三隅火力発電所に隣接し、石炭の輸入に特化した港湾である。
中国地方の貿易、輸出入額は4兆円台だが山陽に集中していて山陰側はその内2%ほどと見劣りする。鳥取県では鉄鋼が最大の輸出品、ウッドチップが最大の輸入品である。これは日立金属安来工場と王子製紙米子工場の立地によるところが大きい。島根県では中古車が最大の輸出品で石炭が最大の輸入品となっている。石炭は2011年で224万トンの輸入実績。
島根県内の製造業に関しては神戸港からの輸出が多いとのこと。
王子製紙が輸入するウッドチップの原料はユーカリが多い。これはユーカリが成長の早い樹だからだが、その分水の吸収量が多く環境に負荷をかけている。また葉の油分は山火事の原因ともなっているとのこと。日本の製紙業が世界の環境に負の影響を及ぼしていることになる。
余談。
太平洋を横断してきた船舶は津軽海峡を通って日本海を南下、対馬海峡から東シナ海へと向かうルートをとるとのこと。そのため、博多港を国際ハブ港として整備すべきだという意見を読んだことがある。ただ、日本の場合、人口の集積地、消費地が首都圏と関西となるため、そちらが優先されてしまうのだとか。
◆参考文献
渡邊英俊「グローバル化時代の山陰経済―境港における国際物流を中心に―」『山陰研究』(6)(島根大学法文学部山陰研究センター, 2013)pp.93-108.
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