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2026年1月19日 (月)

縮小均衡路線も楽じゃない――山下祐介『地方消滅の罠――「増田レポート」と人口減少社会の正体』

山下祐介『地方消滅の罠――「増田レポート」と人口減少社会の正体』を読む。「選択と集中」は企業の事業ポートフォリオをどうするかという文脈で出てきた用語のはず。不採算事業を切り離して経営資源を自社の強みのある部門に集中投下する。結果、業績は改善し株価は上昇する。そしてそれを売り抜けて高利率の売却益を得る……という風に株主側の論理であるはず。

この「選択と集中」は不思議なほど強い説得力を持つ。ある種の殺し文句とも言えるかもしれない。だが、大艦巨砲主義が航空母艦の登場で一瞬にして過去のものとなったように局面が変われば強みが弱みにも変わり得る、最善手だったはずが悪手に変わってしまう、そういったリスクもはらんだ戦略でもある。勝利の方程式では決してない。

そういった文脈がなぜか等閑視され、政治の世界に持ち込まれてしまった……といったところか。

震災を奇貨として集住を推し進めるような発言はいかがなものかと思う。

若かった頃に経験したのだけど、縮小均衡路線の渦中にいるとどうにもしんどいのである。団塊Jr.が平均寿命を迎える頃には人口ピラミッドの歪さはある程度は解消されるかもしれないが、それまでは金銭面のみならず心理的にもかなりの負担感が伴うはず。

他、バイパス不要論だが、地域高規格道路では国道のバイパスという建前で建設されている道路もある。自動車専用道路のミッシングリンクを解消していくことが地域の再生に繋がる可能性もある。

介護に関しては家事と重なる部分も多い。末端を担う人材に関しては家庭に戻るといった選択肢もあるだろう。

道州制は平成の大合併が今一つ効果を発揮しなかったため後退したとの見方があるらしいが、もし首長を直接選挙で選出するなら、都知事選のように知名度に左右される選挙戦となるだろう。また、規模を大きくし過ぎると末端が見えにくくなるので、それこそ地域切捨てになりかねない。

提言されている住民票の二重化、これは避難世帯でまず実験的に導入して効果を測定すべきもので、一挙に導入するのは思わぬ混乱をもたらすかもしれない。

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