むしろ偽となる命題に興味あり――青山拓央『分析哲学講義』
青山拓央『分析哲学講義』を読む。分析哲学の入門書となる新書で論理記号はごくわずかしか用いられていなかった。記述そのものは平易だが、こみいった内容で門外漢には一読で理解できるとは思えなかった。
僕自身は偽となる命題に興味がある。「祈祷で病気が治る」「雨乞いで雨が降る」といった類のもので、要するに呪術的思考である。医療では呪術的思考は慎重に避けなければならないけど、たとえば一部の郷土芸能では呪術的思考の「名残り」(※あくまで名残りである)、フレーバー程度だけどそれらを排除してしまったら魅力が大幅に損なわれてしまうように感じるのだ。
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