弘法大師やお遍路さん――谷原博信『縁起・異界・昔話――香川昔話研究集成』
谷原博信『縁起・異界・昔話――香川昔話研究集成』を読む。昭和後期~平成初期にかけて出された論文をまとめた本。電子書籍で読んだ。冒頭は一般的な昔話の民俗学的なアプローチからの解説がされるが、その後香川県らしくなり、弘法大師やお遍路さんにまつわる昔話や縁起が多く取り上げられるようになる。お遍路を四国島内を循環する旅として捉え、キリスト教の巡礼はキリストと一体となる宗教体験を求めてのものとして両者は異なるものだとしている。狸に関する考察もある。
昔話の採集が進んだのは昭和30年代~40年代にかけてがピークだろうか。その頃だと明治生まれの人が多く残っていた。今は70~80代の人でも戦後生まれである。メディアの登場で語りの場が隅に追いやられてしまったというところだろうか。僕も世代的には「まんが日本昔ばなし」をみて育った口である。なお、今でも趣味として昔話の語りをしている人やサークルはある。
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