グラントワに行く 2025.08
午前10時前に出て益田に向かう。山陰道は西村以西で工事のため終日通行止めだった。11時過ぎにグラントワにつく。
グラントワで加藤泉展をみる。安来出身でほぼ同世代の人。「人がた」というモチーフを主軸に据えているため、現代美術としては分かりやすいか。赤子のような胎児のような宇宙人のような仏像のような、といった感じ。
瞳と瞳の間がリアルより離れているのが異形感を醸し出している。性器はデフォルメされて描かれているので性別はあるらしい。乳房を持つものもあり年齢とは無関係のようだ。髪の流し方でこれは大人の男性なんだなというものもあり。
ソフビで造った、子供が遊んでいたら壊れてそのままになってしまったという感じの造形物がよかった。透明なソフビに内臓のような何かを入れて展示する、あれは僕らの世代だとミクロマンを連想させる。
外国のプラモデルは動物が題材だったりするのだなと知る。日本だとメカニカルなものがほとんどだろう。僕も海洋堂のチョコエッグは結構買ったけど、あれはプラモではないし。
高校生のときに描いた写実的な油絵がまず目に入るのだけど、美大に入るにはこれくらいの才能がないとダメなんだなと感じる。他のアーティストたちと組んでバンド活動も行っているらしい。即興演奏かどうかは分からないけど、バンドの演奏するインストゥルメンタルに合わせて詩を朗読するのは面白いと思った。
人がたに仮面を被せた絵があったのだけど、ジブリというか宮崎アニメを連想してしまった。宮崎作品にも元ネタがあるはずで、ある意味先祖返りしているのだろうかと思ったりもした。
……セルフ出版されたとある電子書籍で村上隆氏の発言が引用されていたのを思い出す。現代美術にはあるコンテクストがあって、それに沿った作品でないと欧米では評価されないのだと。本来なら自由に解釈していいはずなのだが、お金が絡むとそうなってしまうのだろう。見る人が見れば一発で分かる世界というのは確かにあって(※身近なところで言えば神社の狛犬。見る人が見れば産地が分かるそうだ)、そういう審美眼の上に現代美術の市場は成り立っているということだろうか。
石州和紙の展示も行われていた。津和野藩では二代目藩主が九州から楮(こうぞ)だったか、苗を数万本も購入して植え、後の特産品となったとのこと。三隅の石州和紙は浜田藩の系譜で、江津市桜江町の和紙が津和野藩の系譜とのこと。那賀郡と美濃郡は旧浜田藩領と旧津和野藩領とが混在していてよく分からない。紙で作られた下着が展示されていた。防寒具として用いられたらしい。そういえば、今でも新聞紙を緊急時にそういった使い方をしたりするんだったと思い出す。
浜田藩領は沿岸部だったこともあり、たたら製鉄など他の特産品もあり、和紙が特産品となったのはかなり後のこととあった。
映像を見ていた時間が長かったのだけど、展示を見終えたら午後2時を過ぎていた。喫茶店で休憩して帰る。
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