ラディカルな筆致――橘玲『テクノ・リバタリアン 世界を変える唯一の思想』
橘玲『テクノ・リバタリアン 世界を変える唯一の思想』を読む。東浩紀『一般意志2.0』、野口悠紀雄『ブロックチェーン革命』などと比較すると、かなりラディカルな筆致だ。……こういうご時勢だし、塩野七生『ギリシア人の物語』シリーズは未読なので、いずれ読んでみようとは思っている。
マスク氏の火星移住計画、言い換えると「地球環境の激変で人類が全滅するのを免れるため選ばれた一部の人間を火星に移住させてサバイバルさせる」といったところか。
私有財産の否定は動物としての本能に反するので実現は困難だろう。ひと月で転居は甘すぎる見積もり。しょーもないものまで目録を作らないとならないし、ここら辺、実際にやったらとてもやってられないとなる。BIの悪用、おそらく子ども手当の悪用事例が念頭にあるのだろう、その後どういう風に運用されたかは知らないが、さすがに穴は塞がれたのではないか。ブロックチェーン自体は改ざんに手間がかかり過ぎて割に合わないとされているが、換金所についてはハックされる危険性を常に抱えている。QV、たとえばカーオブザイヤーでは持ち点を配分する形で投票される運用となっているけれど、それは対象について知悉しているから可能なことである。
……参加者(全員参加)に煩雑さを強いる仕組みを普及させるのはITやAIを駆使しても困難だろう。
不死、僕だと現有スペックで永遠の生命を得たところで何にもならない。老衰で苦しまずに……というのが最上だろう。
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