渦中にいてはよく見えないこともある――河合隼雄、村上春樹『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』
河合隼雄、村上春樹『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』を読む。頻出するキーワードとして、オウム、地震、湾岸戦争が挙げられるので、対談は90年代半ばに行われたらしい。30年後の今から振り返ると、ちょうどインターネットの普及が始まった時期でもあり、ネット以前/以後の分水嶺ともなっている。潮目が変わった時期と言える。
そんな訳でそれらの事象は序章に過ぎなかったとも言える。今はAIの普及が始まった時期で、やはり何十年か後にならないと渦中にいては明確に見えてこないこともあるだろう。
箱庭療法は面白そうだなと思う。僕自身は樹木の図を描いたら、あまりに手抜きで心が貧しいと診断された。
ノモンハンも頻出するキーワードである。僕自身はよく知らないが、ボロ負けして自分たちが時代遅れになっていることを思い知らされたにも関わらず隠ぺいされてしまった……といった象徴的な出来事だろうか。浜田城山の護国神社の境内に事件の記念碑があるので、浜田連隊も関わっていたようだ。
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