型どおりには進まない――佐藤郁哉『リサーチ・クエスチョンとは何か?』
佐藤郁哉『リサーチ・クエスチョンとは何か?』を読む。論文には型があって、型に沿って記述していくことが求められるのだけど、実際の構想からリサーチ、執筆に至る段階では試行錯誤を繰り返し(循環)、問いを練り直し練り上げていくことになるとしている。
著者は質的研究に関する本を多く執筆されている。質的研究だと自然科学的な論文のスタイルと合わない側面があって、それが動機となっているらしい。
卒業論文の執筆を控えた人向けに書かれている。卒論だと短期間で書き上げなければならないため、それに見合ったクエスチョンをいかに設定できるかが課題となってくるとのこと。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- アニメの構造主義的分析――川﨑瑞穂「百合の神話論理序説―アニメ『明日ちゃんのセーラー服』第9話の範列分析―」(2025.11.06)
- 浄土真宗の「神棚降ろし」運動と呪術的思考の排除について(2025.11.05)
- 保護貿易の長期的弊害――野口悠紀雄『アメリカが壊れる!』(2025.11.02)
- 文字ものは電子へのシフトが案外進んでいない――鷹野凌『ライトノベル市場はほんとうに衰退しているのか? 電子の市場を推計してみた』(2025.10.30)
- 自由間接話法が主な火種か――ジェラール・ジュネット『物語の詩学 続・物語のディスクール』(2025.10.29)

