型どおりには進まない――佐藤郁哉『リサーチ・クエスチョンとは何か?』
佐藤郁哉『リサーチ・クエスチョンとは何か?』を読む。論文には型があって、型に沿って記述していくことが求められるのだけど、実際の構想からリサーチ、執筆に至る段階では試行錯誤を繰り返し(循環)、問いを練り直し練り上げていくことになるとしている。
著者は質的研究に関する本を多く執筆されている。質的研究だと自然科学的な論文のスタイルと合わない側面があって、それが動機となっているらしい。
卒業論文の執筆を控えた人向けに書かれている。卒論だと短期間で書き上げなければならないため、それに見合ったクエスチョンをいかに設定できるかが課題となってくるとのこと。
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