描写に異様に傾いた文体――バルザック「サラジーヌ」
ロラン・バルト『S/Z』の巻末に収録されたバルザック「サラジーヌ」という短編小説を読む。『S/Z』は「サラジーヌ」の構造分析を行う本なのでサンプルとして掲載されている。一読して、冒頭から詳細な描写が延々と続く。で、翻訳ものということもあってか肝心の話の筋が頭にさっぱり入ってこない。おそらく日本の文学者でもここまで描写に傾いた文体の人はいないのではないかと思わされる。これは最後のどんでん返しのために意図的にそうされたのかもしれないが。
<追記>
バルザック「サラジーヌ」二度目の読了。今回はバルト『S/Z』本文を読んでからだったので、こういう話だったのかとある程度の理解はできた。芸術の神に愛された若者であるサラジーヌがイタリア旅行でラ・ザンビネッラに遭い虜となってしまう……といった物語。
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