未来社『石見の民話』分析二周目、石西編が終わる。続いて三周目について
未来社『石見の民話』分析二周目、石西編がようやく終わった。これで全163話の分析が一巡した。今年の二月に思い立って始めたので、およそ十か月かかったことになる。石西編は収録話数が他地域に比べて若干多く大変だった。
特に石西編は横浜から浜田への引っ越し作業のピークと重なったので非常に苦しい思いをした。渦中にいたときは心身共に疲弊して「いつになったら終わるのだろう。一刻も早く解放されたい」とばかり願っていた。
書いている最中にかなり考えが変わったので、二巡目というかロールバックして最初から加筆修正を施していかなければならない。まあ、二周目で一番負荷がかかったのが行為項分析だったので(※慣れても毎回これは上手く記述できるだろうか? と疑問に思いながら作業していた)、その点では多少はマシかもしれないが。
大きく変化して方向性を決定づけたのが128話目の「女と蛇」なので、それ以前の127話分についてはかなりの加筆修正をしなければならない。やはり一日一話が限界だろう。順調にいっておよそ半年といったところだろうか。
加えて既に三周目も考えている。三周目ではKH Corderを用いたテキストマイニングを行いたいと考えている。テキストマイニングというのは本来はSNSの書き込みや口コミサイトのレビューといったビッグデータを解析する目的のツールである。要するにとても人力では読み切れないから、統計処理で大雑把な傾向を掴みたいという目的で用いられるのが第一義だろう。
日本の昔話はほとんどが掌編レベルのボリュームで、僕が起こしたあらすじも大体500~2000字くらいに収まるはずなので、目視で十分ではある。敢えてテキストマイニングにかける必要もないのだけど、裏で統計処理を施した結果が図解されるので、そういった意味ではこれまで行ってきた解釈の裏付けにはなるのではないかと考えている。おそらくこの程度のボリュームだと統計処理によって意外な結果が判明するということはないものと予想される。
で、分析の実施に当たってはコーディング・ルールを固めることが肝要となる。これは内容によってケースバイケースでこれといった解決策はないので、個別に試行錯誤するしかない。なので、当初は下準備を進めていき、それが全話終了してから改めてどういう方向性にするか考えたいといった次第である。
……という訳で、これ以降は水面下の作業となる。更新頻度は以前のようにひと月に数記事といったペースに戻るだろう。
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