シーケンス分析のあらましについて理解する
ネットで検索してヒットした高田明典「物語構造分析による娯楽作品の訴求構造分析」という論文を読むことで、シーケンス分析についてはおおよそが分かった。シーケンス分析は一話完結形式の連続ドラマなど同じフォーマットの話が繰り返される形式の物語(ex. ヒーロー番組など)が適しているのではないか。また高田本に助けられたという印象。
レヴィ=ストロースの神話分析はおおよそ、シェーマ(スキーマ)分析とシークエンス分析からなると考えていいだろう。シェーマ分析は乱暴だが、二項対立の図式に持ち込むことと見ていいだろう。シークエンス分析は時代劇や刑事ドラマのように毎回特定のパターンでストーリーが進行するタイプのドラマが典型的だが、そういったシーケンス(※シーンの幾つかのまとまりをシーケンスと呼ぶ)の連なりをマトリクス化して、そこに個々の事例を当てはめていくと考えればよいか。
社会学者の橋爪大三郎氏はレヴィ=ストロースの神話分析を名人芸的で余人には真似しがたいと評した。僕自身、『神話論理』の一巻や『アスディワル武勲詩』は読んだがいま一つ理解できなかった。どうやったかは分からないが、高田氏はそこら辺を明快に解説している。
残るはレヴィ=ストロースに見られる連想の飛躍だろうか。『神話論理』では新大陸の先住民の神話を北米、中米、南米と特に区別することなく扱っている。そこが批判されるらしい。新大陸の先住民の多くはアリューシャン列島経由で渡ってきた古モンゴロイドをルーツに持つだろうから、物語の古層の部分では共通していてもおかしくはないはと思うが。
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