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2024年2月15日 (木)

行為項分析に手をつけはじめる

未来社『石見の民話』に集録された民話(昔話/伝説)の行為項分析に手をつけはじめる。あらすじとモチーフ分析は前回行ったものを流用する。『石見の民話』の収録話は約160話あるので今回も半年くらいかけて行うことになるだろうか。

分析は中々に難しい。モデル化して、さてここからどういう解釈を導いたものかと思案する。今回はChatGPTが利用できるので質問してみる。やはり僕よりAIの方が深く読んでいるのではないかという錯覚にとらわれる。

なお、ここで行為項分析と呼んでいるのはグレマスというフランスの構造主義記号学者が提示した物語分析方法を高田明典『物語構造分析の理論と技法 CM・アニメ・コミック分析を例として』という本で若干の改良を施したものに準拠する。

……とりあえず「琴姫物語」に手をつけてみたのだけど、行為項分析から行為項モデルへの変換がよく分からない。本で提示された事例を元にしてみただけで、分析からモデルの構築に介在するロジックが見えてこないのである。

<追記>
とりあえず三件ほど分析してみる。感覚は掴めてきたが理解している訳ではない。高田本に記載された事例に沿って当てはめているだけである。『石見の民話』という雑多な話が収録された民話集が全て行為項分析で分析できるかの確認作業を行っているということである。

なお、今回はChatGPTを解釈の補助として用いる。生成AI自体に分析させる訳ではないが分析した結果を読み込ませ、見落としている解釈がないか確認するためである。AIは真の意味で意味を理解している訳ではないそうだが、あたかも僕よりも深く読み込んでいるような回答を返してくる。

経済学者の野口悠紀雄教授は統計データを抽出して加工、アウトプットさせることについては生成AIはまだ使えないとの評価を下したが、昔話の分析なら十分な能力を持っている。

作業自体はそれほど時間がかからない。前回のモチーフ分析の際にあらすじは全て起こしているから。あらすじに起こすのが一番苦痛な作業だった。

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