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2024年2月14日 (水)

高田式行為項分析ができないか

見田宗弘「ごんは、なぜ、土間に栗を置いたのか?―グレマス『行為項モデル』に基づく『ごんぎつね』の解釈―」と高田明典「物語構造分析の理論と技法 CM・アニメ・コミック分析を例として」の行為項に関する部分を再読する。

行為項とはグレマスというフランスの構造主義記号学者が提示した概念で行為者とも訳される。グレマスの著作は『構造意味論 方法の探求』『意味について』の二冊を読んだ。非常に難解な本で(※フランス人自身が難解と言っているらしい)これに何の意味があるのかよく分からなかった。記号論の記号が使われているのだが独自に拡張されていてパソコンで表記するのはそのままでは難しい。

高田本ではプロップの提示した物語の機能(ファンクション)というかツークというかを関数で表し、関数を入れ子にすることでそこから論理関係を見出している。また、記号を∪∩から+-と変更し、手を入れることで分析しやすくしている。

まあ、物語を関数で表しても微分できる訳じゃないしなとも思うのだが。

見田論文は『ごんぎつね』を高田本で解説された手法で行為項分析している。高田式行為項分析としようか。論文末に行為項分析の具体的内容が示されているのだが、記号だけを見せられても「これは分析した本人しか意味がとれないだろう」となってしまう。

Sがサブジェクト(主体)、Oがオブジェクト(対象)、+がポジティブ、-がネガティブくらいの想像はつくのだが、記号の羅列だけでは何のことか分からない。

……ということで、当ブログには未来社『石見の民話』をモチーフ分析した記事がある。それらである程度下処理はできているので、それらをベースに実際に行為項分析ができないかと考えているところである。ネタ切れの今、できることと言ったらこれくらいしかない。

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