生成AIの登場が特筆される――倉下忠憲「ライフハックの道具箱 2023年版」
倉下忠憲「ライフハックの道具箱 2023年版」を読む。執筆環境のサポートやタスク管理に便利なツールやWEBサービスが紹介される。2023年版で特筆されるのは生成AIに言及されるようになったことだろう。生成AIによって今後サポートされる範囲が広がっていくことが見込まれる。
一方で疑問に思うのは、クラウドに元データを保存している関係かもしれないが、テキストエディタのGREPに全く言及されないことである。野口悠紀雄『「超」整理法』で紹介されたように一つのフォルダに関連する複数のテキストファイルを放り込んでGREPで横断検索するという手法である。今となっては古いやり方かもしれないが、スキルのある人なら正規表現も使えるし高速で検索してくれるので現在でも十分に使える運用法である。
筆者はScrapboxとOneDriveを利用している以外には、大体ローカル環境で事足りている。たとえばPDFファイルでもファイル名を規則的につけておけばエクスプローラーの検索機能で問題なく探せる。WEBサイトの記事もテキストファイルでスクラップ帳を作っている。GREPで高速に探せる。画像情報は失われるが大抵の場合は問題ない。いざとなればリンクから該当ページに遷移すればいい。
Evernoteを愛用して今そこから離れようとしている人は引っ越しで苦労しているだろう。2024年版では移行の顛末を記し、一つのサービスに依存してしまうリスクも明示してもいいのではないか。Evernoteを推薦する本を上梓しているのだから、それくらいの責任はあるだろう。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- ヒューリスティック的挙動多し――山田典一『データ分析に必須の知識・考え方 認知バイアス入門』(2026.02.15)
- Σに慣れることからか――江崎貴裕『指標・特徴量の設計から始めるデータ可視化学入門』(2026.02.14)
- データサイエンスの入門書――江崎貴裕『分析者のためのデータ解釈学入門 データの本質をとらえる技術』(2026.02.13)
- 縁があるならば――『新版 歎異抄 現代語訳付き』(2026.02.03)
- 網羅的だが総花的かも――安藤昭子『才能をひらく編集工学 世界の見方を変える10 の思考法』(2026.01.31)

