異論を言ってもいいんだよ――平山美希『「自分の意見」ってどうつくるの? 哲学講師が教える超ロジカル思考術』
平山美希『「自分の意見」ってどうつくるの? 哲学講師が教える超ロジカル思考術』を読む。フランスに留学した著者がフランス人たちの思考の組み立て方を解説する本。例としてフランスのバカロレア(高校卒業資格認定試験)の哲学の試験が挙げられる。他の本でも思ったのだが、これを一年でマスターするのは難しいと率直に思う。フランス人でも20点満点で平均7~8点という水準だそうだ。
とあるYouTubeの動画で不用意なコメントをしたところ、コメント欄が荒れてしまったことがある。冷静に情報収集に徹するべきだったなと後悔していたのだが、「自分の意見を言っていいんだよ」という一文でまあいいかと考えを切り替えられた。それは「さすがにそれは違うだろう」と公然と批判せざるを得なかったのである。
早稲田大学や慶応大学を卒業した人たちと関わったことがある。さすがに知能がワンランク違うなと感じた。大企業が幹部候補生として積極的に採用するのも分かる。彼らの中には頭の回転が非常に速い人がいた。そういった人たちに対抗するにはどうすればいいのだろうと考えたことがある。
また、マイケル・サンデル教授の白熱教室を見てみたところ、異様に頭の回転が速くとてもついていけないと感じたことがある。
結局、僕がたどり着いたのは、ぼやっと頭に浮かんだことをテキストに起こして言語化することだった。スピードが求められる局面では向いていないが、以前よりはクリティカルな思考ができるようになったのではないかと思う。
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