ブレないことへの疑問を提起――東浩紀「訂正する力」
東浩紀「訂正する力」を読了する。「訂正可能性の哲学」は読了までに時間がかかったが、こちらは二日ほどで読めた。
日本ではブレないことが評価される傾向にあるが、それが保守とリベラルの議論の硬直化をもたらしているのではないかと指摘する。
「実は……だった」というのはデリダ的な読みかもしれない。
日本が天皇親政でなくなったのは、文学作品を読んで感じるのだが、天皇の勅命は絶対という観念があり、訂正する余地がないからかもしれない。
従軍慰安婦について。某匿名掲示板の関連スレッドを読むことがあるのだけど、そこでの認識は「慰安婦はいた。が、ほとんどはプロの女性であった。中には女衒に騙されて連れてこられた人もいた」といったもので、慰安婦は存在しなかったという強硬論を主張する人は見かけたことがない。
憲法前文について、某匿名掲示板で「日本が戦争を止めたら世界は平和になるんだ」という読みをしている人がいた。でも、実際には日本が戦争をしていなくても世界各地で戦争は起こっているというのが現実だ。まあ、こういう読みをする人もいるという話である。
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