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2023年9月

2023年9月30日 (土)

よみカルの石見銀山講座

よみカルの「世界遺産・石見銀山を学ぶ[オンデマンド講座]徳川家康と石見銀山」というWEB講座を見る。

「1.江戸初期の石見銀山」では最盛期に現在価値で175億円相当もの銀を産出していたと推定している。銀山では10歳くらいから下働きをはじめ手子(てご)と呼ばれたそうだ。今でもてごをしてくれ(手伝ってくれ)という方言に残っている。30歳になると病気のない者はいないという過酷な労働環境だったようだ。

「2.石見銀山奉行、大久保長安という人物」では初代・銀山奉行の大久保長安(ながやす)の話が語られる。長安の元では安原伝兵衛(安原備中)という山師や宗岡佐渡(元は毛利氏の家臣だった)といった部下が活躍したと語られる。銀山には行ったことがあるが、大久保長安の墓はどこにあるか分からなかった記憶がある。

「3.石見銀山のその後」では天下の総奉行と呼ばれた長安だったが、死後、不正蓄財を咎められ、七人の息子が全て切腹させられる等して大久保家は断絶してしまう。石見銀山には次の奉行が任命され、安原備中、宗岡佐渡たち実務家たちにまでは累は及ばなかった……という内容である。江戸時代では民政に貢献した人材には高い石高が与えられていない。よくて小大名、大抵は旗本といった処遇だったとのこと。

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なかなか読み進められない――東浩紀「訂正可能性の哲学」

東浩紀「訂正可能性の哲学」に苦戦している。記述自体は平易だし、前作の「観光客の哲学」や「一般意志2.0」はそれほど苦戦した記憶がない。やはり内容自体が難しくて、平易に記述してもこちらの理解能力を超えてしまうのだろう。

<追記>
東浩紀「訂正可能性の哲学」を読み終える。読了まで時間がかかった。記述自体は平易だが、基礎にあるのが言語哲学だったりルソーの思想の屈折だったりして、凡人には容易に咀嚼できなかったからである。哲学には人によって時代によって様々な読みがあり、絶えず読み直されるということなのだろう。僕にはそんな深い読みはできないが。

社会契約というか自然状態というのは文化人類学の成果で明らかなように啓蒙思想の時代の学者たちの思考実験に過ぎないのだから、一歩引いた視点で見てもいいのかもしれない。もちろんヨーロッパと未開社会では違うが。

啓蒙思想の本は少ししか読んだことがないが、理解するにはローマ帝国の歴史を知っていた方がよさそうである。今は塩野七生の本があるので困らないだろうが。

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2023年9月15日 (金)

貧弱なスピーカーで聴く

マーラーの交響曲全集をパソコンに取り込む。交響曲第8番「千人の交響曲」などパソコンの貧弱なスピーカーでは再生しきれない。ONKYOのミニコンポがあるのだけど故障していて、もう修理も受け付けてくれないだろう。ミニコンポというジャンル自体が衰退していて乗り換え先がない。イヤホンで音楽を聴くのは嫌。

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2023年9月12日 (火)

輸入盤を入手する

バーンスタインのマーラー交響曲全集が届く。輸入盤で6000円ほど。当然、日本語のライナーノーツはついていないが、CDのはフォントが小さくて老眼にはつらいし、今の時代はネットもあるしで、以前ほどには必要でないのかもしれない。

聴いたことのある曲は、1、2、4、5、大地の歌、9,10。9番と10番は聴いたばかりで耳に馴染んでいない。3、4,5をパソコンに取り込んでおらず聴きたくなった

交響曲第三番第一楽章をパソコンに取り込もうとすると、楽曲データベースに登録されておらず、タイトルが不明となる。

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2023年9月 8日 (金)

追記するべきか

「神楽と文芸(総論)」という本をAmazonでセルフ出版している。要するに石見神楽を批評した本なのだけど、追記しようかという気になってきたのである。電子書籍なので単にファイルを差し替えるだけなのだけど、ペーパーバックは修正が効かない。出し直しになる。以前はEPUBファイルをPDFファイルに変換してくれるツールがあったので、それを利用していたのだけど、今回はWordか一太郎で元ファイルを作ってそれをPDF化する手順となる。初めての経験なので上手くいくか分からない。なのでやりたくない。

追記する気になった理由は、神楽関連本を何冊か追加で読んで、それに重要な記述があったことが一つ。もう一つは神楽甲子園を見ていて自分でも思ってもみないことに極めて保守的な感想を抱いたからである。元々この本は「石見神楽はショーである」という批判に対するアンサーとして書いたものだった。ところが神楽甲子園で芸北神楽の新舞がのしてきているのを見て、ショー化批判した研究者たちの気持ちが理解できるようになってしまったというか、この際ここで批判をまとめておくべきだという考えとなったのである。

僕自身はそんなに熱心な神楽ファンという訳ではない。神楽を見ていない期間の方が長いし、実見したのは石見神楽と関東の里神楽(神代神楽と太々神楽)のみである。ただ、石見系神楽と関東の里神楽はいずれも演劇化された神楽なのである。しかしながら、神代神楽が静であれば、石見系神楽は動と形容できる。つまり、対称的な神楽なのである。どちらの神楽も舞を洗練させていっているが、その方向性は正反対である。進化の方向性は一つではないと言えるのだ。

また、埼玉県久喜市の鷲宮神社の神楽を見た体験も大きい。鷲宮神社の神楽は江戸時代に再編されてはいるが、演劇化されていない昔ながらの神楽なのである。

こうした鑑賞体験を経て石見系神楽を相対化して見ることができるようになったのである。全国の神楽を見て回っている神楽通には敵わないが、中国地方出身で首都圏在住という立ち位置で効率的に相対的な視点を得られたのである。これで「神楽と文芸(総論)」を執筆することが可能となった。

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2023年9月 5日 (火)

神社でやるから良かったのに――浜田の石見の夜神楽定期公演

浜田市の石見の夜神楽定期公演、9月から下府町のいわみ文化振興センターで実施されるとのこと。浜田IC近くらしいのだが、知らない建物だ。地図を確認するに、工業団地の中か。夜神楽定期公演は神社でやるから雰囲気があってよかった、観光神楽だけど奉納神楽の雰囲気が味わえたと思うのだが、神社側にも事情があるのかもしれない。

新しい会場では2時間、料金は据え置きで飲食しながら神楽を鑑賞できるようだ。今までのとどっちがいいのだろう。

三宮神社では一時間という制約があったので、大蛇+αという構成にせざるを得なかった。これからは大蛇の他に二、三演目できるようになる。

寿司が1500円ほど。ドリンクと合わせて2000円くらいか。飲食で儲けを出したいということなのかもしれない。

駐車場は60台だったか、十分なスペースがあるようだ。場所的に車でしか行けないので、そういう点では安心だろう。

写真撮影、動画撮影は禁止とのこと。夜神楽公演撮影を想定して一眼レフを買ったのだけど活かせなくなってしまった。

三宮神社だと毎週通ってもいいかと思っていたが、こうなると一度行ってみれば地元民的には十分かという気がする。

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2023年9月 4日 (月)

目指せ薄味? お勧めはちょっといいデジカメを使うこと

七月のオープンフォーラムの会合の後で、八藤後先生、斎藤先生、南雲先生と一緒に昼食をとったのだけど、その席で聞いたところによると、民俗学を学ぶ学生さんがいて、何でもブログをはじめられるそうで、「目指せ薄味」と言ったような話になったのだとか。それは嬉しいし面はゆい話である。

当ブログの場合、元々は雑記ブログだったのだけど(だから内容が薄いというタイトルなのである)、2006年夏に帰省した際に、実家に日本標準『島根の伝説』が残されていたことが大きなきっかけとなった。

この本経由で狭姫伝説と胸鉏比売の伝説に行き当たった。日本の伝説を読み尽くした訳ではないので断言はできないが、この二つは考察しがいのある大ネタだった。それからブログの題材を島根県石見地方の伝説に集約したのである。それから神楽も加えた。

こういう風に自分独自の題材があると強みになる。件の学生さんの場合だと、フィールドワークする題材は決まっているはずなので、そこを起点にすることになる。

僕から提案したいのは、ちょっといいデジカメを使うことである。今のご時世、スマートホンのカメラで十分なのだけど、デジカメの場合、バシャバシャと何百枚でも撮りまくることができる。写真/カメラ趣味は一生の趣味とできるので、お勧めである。

問題はエントリーモデルでも8万円くらいすることである。昔は5万円台でそこそこのが買えたのだけど、性能が向上してその分高くなってしまった。

民俗学だと望遠レンズも必要だろうから、ダブルズームキットをとなるけれど、そうなると10万円を超えてしまう。

1型センサー機だと、パナソニックTX2Dが8万台、FZ1000Ⅱが10万台で売っている。

僕の場合、石見地方を車で巡って写真を撮った時期に使っていたのが、1/2.3型センサーを使ったコンデジだったのである。後になってみると画質面で不満が残った。今はミラーレス一眼や一眼レフを所有しているので、その内撮り直そうかと思っている。

だが、心臓を悪くしてからは軽い1型センサーのコンデジばかり使うようになってしまった。1型センサー機でもブログに載せる分には十分である。

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約一年触ってなかった

ホームページの記事を新規追加したが、履歴を見ると11ヶ月ぶりであった。

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