一年ではマスターできない――坂本尚志『バカロレアの哲学 「思考の型」で自ら考え、書く』
坂本尚志『バカロレアの哲学 「思考の型」で自ら考え、書く』を読む。バカロレアはフランスの高校卒業資格認定試験とすればよいか。そのバカロレアでの哲学試験に焦点を当てた本。実際に問題を見ると、これはとても手が出ないと感じる。平均点は20点満点中7点ほどなので、フランス人であっても難しい試験となっている。模範解答が示されているが、少なくとも自分にとっては、たったの一年でマスターすることは非常に困難に思われる。思うに、高得点をマークできるのはIQの高い層だろう。よくないと感じたのは、出典からの引用。哲学者の名前だけでなくどの書物の第何章かまで暗記しなければならない。参考書に載っているそうだが、引用というものは書籍を手元に置きつつ引くものであって、それは違うんじゃないかと感じる。
高校時代、小論文を書かされることはあったが、その構成法について教えられることはなかった。なぜ教えなかったのだろうか。
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