天狗は山伏ではないのか――小松和彦「神隠しと日本人」
小松和彦「神隠しと日本人」を読む。人が行方不明になったとき、現代なら誘拐か家出か迷子かと考えるが、近代以前の人々は神隠しに遭うということで自他を納得させていた……というところだろうか。神隠しから帰還した場合、当人の口から異郷訪問譚が話されることがあるが、そのほとんどのイメージが貧困なのであるとのことである。読んでいて思ったが、天狗≒山伏ではないのだろうか。
僕自身、歳の離れた兄にからかわれて家を出たことがあった。国道9号線の陸橋の下まで行って、そこから先へは行けず、結局兄が見つけたという流れだった。
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