難解――ニクラス・ルーマン「社会システム理論」
ニクラス・ルーマン「社会システム理論」上下巻を読む。上下合わせて1000ページ近くある大著。また、難解とされている。
この本、読者が100人いたら数人が理解できるかといったレベルの分かりにくさである。記述自体はそう難しくないが、具体例が無く、図解もされず、そのまま細部の検討に入ってしまうので何が何やら分からなくなってしまうのである。書いた本人にしか分からないのではないかとさえ思う。
通読するのを断念しようかと考えつつ読んでいたが、300ページくらいから何となく分かってくる。理解した訳ではないが、意味が通るようになった。そういう意味では諦めずに読むべき本かもしれない。図解するとベン図のようでそうでない。
もっとも、翌日読むと前日ほどでない。その時の体調にも依るのかもしれない。
きっかけは宮台真司が社会システム理論を援用して、現代日本ではシステム(市場、行政etc)が発達して環境(生活世界)を浸食するようになったという問題提起に感銘を受けて読んだのだが、原典には歯が立たなかった。
しかし、民俗なら民俗というシステムがあることになる。この場合、どう考えればよいのだろう。
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