今でもまったり生きているか――宮台真司「終わりなき日常を生きろ――オウム完全克服マニュアル」
宮台真司「終わりなき日常を生きろ――オウム完全克服マニュアル」を読む。タイトルの通りオウム真理教による地下鉄サリン事件を主題として取り上げたものだけど、事件から二十数年経過した今、別の切口で見ることも可能である。
この本は承認欲求が満たされない人たちに「まったりと」生きようぜという内容である。
例えば「終わりなき日常」東日本大震災後の状況でも特に福島県では終わらない日常があると見ることができる。
当時、終わらない日常をまったりと生きていた若者たちは、実は団塊ジュニア、氷河期世代に当たる。あれから二十数年、彼らは今でも「まったりと」生きているだろうか。
終わらない日常というのはあり得ない。人は老いるのだから。
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