日常の当たり前に潜む問題――ガーフィンケル他「エスノメソドロジー」
ガーフィンケル他「エスノメソドロジー」を読む。民族誌の方法論を想像していたらそうではなく、日常的な当たり前に潜む問題を摘出し、それを解体・再編していく営みの実践論であった。
具体例として陪審員、ホットローダー(走り屋)、精神病者、受刑者のコード、性転換者の生活史といったものが挙げられている。
受刑者のコードとはチクるな、白状するなといったものである。
この内、性転換者は女性的な身体を持ちつつもペニスを有するという人物の生活史である。男性器がありながら乳房が発達するということがあるのかと思ったが、後に子供の頃から女性ホルモンを投与していたという事実が明らかにされる。それはともかく、この人物の性自認は女性であり続けたのである。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 翻訳ものに比べれば――柄谷行人「マルクスその可能性の中心」(2023.03.18)
- 家事は不払い労働――上野千鶴子『家父長制と資本制――マルクス主義フェミニズムの地平』(2023.03.10)
- 推敲を終える(2023.03.04)
- Amazon Kindleストアで電子書籍の販売を開始しました。(2023.03.01)
- 盛りだくさん――高田明典「物語構造分析の理論と技法 CM・アニメ・コミック分析を例として」(2023.02.28)