共同体の共通善――菊池理夫『日本を甦らせる政治思想――現代コミュニタリアニズム入門』
菊池理夫『日本を甦らせる政治思想――現代コミュニタリアニズム入門』を読む。正義よりも共通善を志向する政治思想。中道左派に相当する。
宮台真司が社会学の社会システム理論を援用して、日本ではシステム(市場、行政etc)が生活世界(共同体)を浸食していると指摘しているが、その指摘の背景にコミュニタリアニズムがあると知って読んだもの。
生活世界の再構築という文脈であれば民俗学にも現代的意味が出てくる。本書では地域社会については語られたが、民俗学的な言及はわずかだった。
第一章では多くの学者名とその批判が列挙されている。が、初読者にとっては混乱の元だと感じる。構成的に後回しでも良かったのではないか。
玉野井芳郎(マル経学者)の名前を見かけて懐かしい気持ちになった。
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