改良笛の製造元が廃業
工房閉じても「ヒーロー笛」の音色は忘れず 石見神楽の進化支えた101歳が引退
https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/254017
江津市桜江町の改良笛の製造元が店を閉めるとの報道。有料記事なので全文は読めず。
ヒーロー笛はリコーダーの様に息を吹き込めば誰でも音を出せるように改良されたものだそうだ。
それでは、よいお年を。
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工房閉じても「ヒーロー笛」の音色は忘れず 石見神楽の進化支えた101歳が引退
https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/254017
江津市桜江町の改良笛の製造元が店を閉めるとの報道。有料記事なので全文は読めず。
ヒーロー笛はリコーダーの様に息を吹き込めば誰でも音を出せるように改良されたものだそうだ。
それでは、よいお年を。
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ガーフィンケル他「エスノメソドロジー」を読む。民族誌の方法論を想像していたらそうではなく、日常的な当たり前に潜む問題を摘出し、それを解体・再編していく営みの実践論であった。
具体例として陪審員、ホットローダー(走り屋)、精神病者、受刑者のコード、性転換者の生活史といったものが挙げられている。
受刑者のコードとはチクるな、白状するなといったものである。
この内、性転換者は女性的な身体を持ちつつもペニスを有するという人物の生活史である。男性器がありながら乳房が発達するということがあるのかと思ったが、後に子供の頃から女性ホルモンを投与していたという事実が明らかにされる。それはともかく、この人物の性自認は女性であり続けたのである。
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石井淳蔵「マーケティングの神話 岩波現代文庫135」を読む。
本文中の事例から推察するに三十年程前の本と思われる。どうして現代文庫に収録されたのかと思ったが、当時としては新しかった社会構成主義的な観点でマーケティングを捉えたものということだろうか。エスノメソドロジーという単語が出てくるので、そういう視点が盛り込まれているのだろう。
マルクスの著作は読んでいないが、生産と言う概念が生産能力なのか生産性なのか技術力なのか曖昧模糊としている様に感じた。
相対主義の分類や解釈学については理解はできなかったが、参考になった。
本書はマーケティングの理論について書かれたものだと結論づけられる。その点で三十年後の現在でも価値があると評されたのだろう。
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柄谷行人氏が2022年バーグルエン哲学・文化賞を受賞した。僕は氏の著作は『日本近代文学の起源』しか読んでおらず、ファンではないが、喜ばしいことである。翻って浅田彰はどうなのだろう。Wikipediaを確認したところ、評論家という肩書きは認められたが思想家という肩書きは記されていなかった。某匿名掲示板のスレッドを読んだところ、本を書かない(対談集だけ)という評だった。柄谷氏は英語でも情報を発信していたとのことで今回の受賞に繋がったのだろう。ファンではないので知らないが、浅田は知能の高さにあぐらをかいていたのではないか。それが今回の受賞で差となって明確に現れたのではないか。
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中島隆博「中国哲学史――諸子百家から朱子学、現代の新儒家まで」(中公新書)を読む。新書としては厚いボリュームなので読了まで時間がかかった。中国の古典に触れるのは高校生以来だったので、意外と頭に入ってこない。古代から現代まで中国の哲学史を追えたのは新鮮な体験だった。
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松村真宏/三浦麻子「人文・社会科学のためのテキストマイニング[改訂新版]」を読む。第三章までは分かったが、第四章以降は統計学の知識がないため、理解できなかった。私大文系の悲しさよ。まあ、テキストマイニングで何をやっているかは把握できた。
形態素解析ではTTM、MeCab、CaboChaといったソフトをインストールする。また統計ソフトとしてRをインストールする。RはCUIなこともあって上手く操作できなかった。
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宮台真司「終わりなき日常を生きろ――オウム完全克服マニュアル」を読む。タイトルの通りオウム真理教による地下鉄サリン事件を主題として取り上げたものだけど、事件から二十数年経過した今、別の切口で見ることも可能である。
この本は承認欲求が満たされない人たちに「まったりと」生きようぜという内容である。
例えば「終わりなき日常」東日本大震災後の状況でも特に福島県では終わらない日常があると見ることができる。
当時、終わらない日常をまったりと生きていた若者たちは、実は団塊ジュニア、氷河期世代に当たる。あれから二十数年、彼らは今でも「まったりと」生きているだろうか。
終わらない日常というのはあり得ない。人は老いるのだから。
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大羽昭仁「地域が稼ぐ観光 ボクらはコトづくりでチイキのミライをつくる」を読む。これまで地域の観光を評価する基準は媒体露出量やイベント参加人数だったとしているが、これからは稼ぐ意識が必要となるとしている。
著者は広告代理店出身で旅行会社とコラボして地域×観光的なプロジェクトを起こすことに関わってきた。広告代理店と旅行会社のノウハウを言わばかけ算する形で企画を立てている。それは前例踏襲主義な官公庁に針路の変更を迫るものでもある。モノづくりからコトづくりへと発想の転換を迫るものでもある。その観点から体験型プログラムを構築している。
体験型プログラムでは食が重要な要素となるとしている。その点では、東京に良い料理人が集まっているという現実も指摘される。
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近藤良樹「子供の昔話を哲学する(論文集)」(※PDF)を読む。著者は国会図書館で検索したところ、広島大学の先生のようだ(※現時点では不明)。主に倫理学を専攻しているものと思われる。
https://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/ja/00049765
これは著者の昔話に関する論文をまとめたもので236Pもある大ボリュームの論文集だ。PDFで236ページ読むのは大変で(PDFにはしおり機能がない)、EPUB形式に変換できないか調べてみたが、上手い解決方法が得られなかった。できれば書籍にして欲しいものである。
内容的には昔話の時空についての哲学的考察が主だろうか。自分だと数行しか書けないところをこの先生は何ページにも渡って記している。筆力の差を痛感する。
途中、身近なリサーチ対象として著者の子供(小5・小4・小2)が登場する。一方でマッカーサーを見たことがある、といってもマッカーサーとあだ名された精神を病んだ旧日本国軍人のことであるが、そう言及されているのを読んで、一体いつの話だろうと思った。僕が子供だった頃、昭和40年代には、そんな軍人の姿を見かけることはなくなっていた。……と思っていたら、各論文は平成の初め頃に執筆されたものだった。それなら僕より年上ということになり、つじつまが合う。
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ソシュール『新訳 ソシュール一般言語学講義』を読む。現代思想に多大な影響を与えた本とのことで(言語論的転回)読んでみた。言語学に関する書籍を読むのは初めての体験だったので、よく分からない箇所も多かった。フランス語は履修していなかったので、事例として挙げられるフランス語の読みが分からなかったりもした。ソシュールの講義を元に構成されているので、記述自体は特に難解ということはなかった。
学生時代に図書館で借りたことがあるのだけど、当時はあれこれ抱えていたので読む時間がとれず、そのまま返却してしまったという過去がある。三十年ぶりくらいのリベンジである。
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菊池理夫『日本を甦らせる政治思想――現代コミュニタリアニズム入門』を読む。正義よりも共通善を志向する政治思想。中道左派に相当する。
宮台真司が社会学の社会システム理論を援用して、日本ではシステム(市場、行政etc)が生活世界(共同体)を浸食していると指摘しているが、その指摘の背景にコミュニタリアニズムがあると知って読んだもの。
生活世界の再構築という文脈であれば民俗学にも現代的意味が出てくる。本書では地域社会については語られたが、民俗学的な言及はわずかだった。
第一章では多くの学者名とその批判が列挙されている。が、初読者にとっては混乱の元だと感じる。構成的に後回しでも良かったのではないか。
玉野井芳郎(マル経学者)の名前を見かけて懐かしい気持ちになった。
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