環境に関する言及なし――クリスティアン・ポルフ『ニクラス・ルーマン入門 社会システム理論とは何か』
クリスティアン・ポルフ『ニクラス・ルーマン入門 社会システム理論とは何か』(庄司信/訳)を読む。社会学の社会システム理論に関する入門書。宮台真司の著作で社会システム理論の存在を知って読んでみたものだけど、社会システム理論はグランド・セオリーを志向したものであり、抽象的な内容に終始するものだった。宮台の著作を読んでいなかったから、何のことかさっぱりだったろう。
マルクスは社会を上部構造と下部構造の二層とするが、ルーマンのシステムは平面的でフラットなものである。
ルーマンは社会をシステム/環境に二分する。システムには政治、経済、法律、芸術、宗教などがある。宮台の本では環境が生活世界に置き換えられていると思われるのだが、環境に関する言及はほとんどなかった。
<追記>
ルーマン「社会システム理論」上下巻を読んだ上で再読する。「社会システム理論」には具体例がほとんど無く、抽象的な概念の操作に終始するので、入門書の本書の存在はありがたかった。ちなみに、ダブル・コンティンジェンシーは偶発性と訳されているようだ。
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