文系学問は役にたたないか――吉見俊哉『「文系学部廃止」の衝撃』
吉見俊哉『「文系学部廃止」の衝撃』を読む。タイトルは2015年6月文部科学省が出した通知が国立大学の文系学部の縮小を提言した内容で、マスコミによって大きく取り上げられ話題となったことに由来する。
平成の三十年で新自由主義/グローバリズムが主流となり、またインターネットの登場によって情報爆発が起き価値観が多様化した。そういう流転する状況に応じた大学の在り方を考察した本。
大学は企業と違って長期的な視野/価値観で動いているから、当然企業とは異なる在り方になること等が挙げられていた。
僕が大学生だったのは三十年以上前で、それから知識がアップデートされていなかった。知っていたのは出身大学が人気校となったことくらいである。だから現在の大学については知らないことだらけだった。
僕自身は典型的な私大文系だから国立大学について何か言うつもりはない。リアルな国立大学は元々理系優位だそうだ。
いいなと思ったのは、米国の大学がメジャー/マイナーと専攻/副専攻を履修できること。学生時代、現代思想に興味を持ったが、法学部だったので力が入らず中途半端になってしまった。
<追記>
文部科学省の目論見通りに事が運ぶのかどうかは知らない。目下の関心事は国立大学の授業料値上げだろう。また、少子化で地方では医師や教員の採用が難しくなっていることもあり、県単位で専門家を養成する課程は必要そうだ。
海外だと理系の学生にアートを学ばせたりするそうなので、折衷案として日本でも専攻/副専攻と履修できるようにすれば文系学問のポストも温存されるかもしれない。ただでさえ忙しい理系の学生に副専攻まで履修している暇があるかは知らないが。
……僕自身は哲学よりむしろ美学の方が相性が良かったようだ。で、教職課程も履修したので副専攻的なことも一応やってはいることになるか。
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