果てなしばなし――モチーフ分析
◆あらすじ
とんとん昔もあった。大きな渕があって、その縁(へり)に大きな栃(とち)の木があった。秋になってその実が落ちはじめた。「からから どんぶり からから どんぶり」
◆モチーフ分析
・大きな渕があって、その縁に大きな栃の木があった
・秋になってその実が落ちはじめた
・からから どんぶり からから どんぶり
形態素解析すると、
名詞:どんぶり 実 栃の木 渕 秋 縁
動詞:ある なる 落ちはじめる
副詞:からから
連体詞:その 大きな
栃の木/実の構図です。抽象化すると、植物/実です。栃の木―落ちはじめる―実の図式です。
大きな渕の縁に大きな栃の木があった[存在]。秋になってその実が落ちはじめた[結実]。
大きな渕の縁にある栃の木から実が落ちはじめた……という内容です。
発想の飛躍は実が落ちる様を「からから どんぶり」と形容することでしょうか。実―落ちはじめる―どんぶり/からからの図式です。
栃の木ですので、どんぐりでしょう。秋になって実がなった様を描いています。
◆参考文献
・『日本の民話 34 石見篇』(大庭良美/編, 未来社, 1978)p.469.
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