地理学の本――『ライブパフォーマンスと地域 伝統・芸術・大衆文化』
『ライブパフォーマンスと地域 伝統・芸術・大衆文化』(神谷浩夫, 山本健太, 和田崇/編, ナカニシヤ出版, 2017)を読む。サブタイトルが「伝統・芸術・大衆文化」なのだけど、これは地理学の本である。
第二章では広島県の芸北神楽が取り上げられている。これは神楽の観光資源化などの諸問題を扱っている。広島県では他に演劇が取り上げられている。広島市は演劇の街でもあるのだ。
他、和太鼓、沖縄のエイサー、アートプロジェクト、都内を活動場所とするミュージシャン、東京の小劇場演劇、東京都のヘブンアーティスト(大道芸など)、フィリピン系移民、北米ベイエリアの和太鼓、韓国ソウルの祝祭などが取り上げられている。
<追記 2025.02>
東京と広島の演劇状況について読み直してみる。実際に下北沢に行って小劇場演劇を数回鑑賞した後だと理解度が違った。劇団の9割は東京に集中しているとのこと。下北沢のような街は人口の多い首都圏でしか成り立たないのかもしれない。ただ、東京は競争が激しいので、それを嫌って地方に移転する劇団もあるとのこと。
広島にも劇団数は結構あるようだ。30団体くらいあるらしい。アンケートに回答したのは11団体という結果だった。アマチュアというか副業志向が強く、上京する意思を持つ人は少ないという結果だった。
大ホールよりも400人くらい収容の中ホールが演劇には向いているとは思う。そういう施設が地方の県庁所在地といった中核都市の利便性のよい場所に立地していれば……といったところか。
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