串刺しで日本を論ずる――宮台真司「日本の難点」
宮台真司「日本の難点」を読む。著者が全てを「串刺し」にしてと述べているように幅広いテーマが語られる。社会学だけでなく法律や経済、哲学、宗教にも一定の見識を持っており、マルチな才能の持ち主という印象。ただ、馬鹿とか平気で書く辺り、周囲を見下している様にも観じられる。
教育に関しては利他的な凄い奴に「感染」することで成長するとしている。「衝動」である。僕は大学は法学部だったが、法律に関しては衝動を覚えなかったのが残念である。
面白いと思ったのは、一神教は人が必然的に間違いを犯す必謬性があるという視点があることである。日本だと天皇の勅令は絶対であり、だからこそ政治的発言を封じられているのだが、誤謬に関する認識が外国とで異なっていることになる。デリダの脱構築とは必謬性を哲学に置き換えたものだそうだ。柳田国男に注目していることも経世済民という点で興味深い。
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