生活世界の再構築――宮台真司/野田智義「経営リーダーのための社会システム論」
宮台真司/野田智義「経営リーダーのための社会システム論~構造的問題と僕らの未来~」を読む。大学院経営修士コースで行われた講義を元とした講義録。社会学の社会システム理論を援用して日本社会を中心に論じている。社会システム理論ではシステム(市場、行政etc)とその外部にある生活世界(共同体)とに分類している。利便性・快適性・安全性が追求されシステムが高度に発達した結果、共同体の空洞化が進んでいると指摘する。例えば高齢男性の孤独死が挙げられる。過去に引き返すことはできない。宮台氏は一時、新反動主義に傾いたが後にそれを克服したことが語られる。生活世界の再構築という点で考えさせられる本だった。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 翻訳ものに比べれば――柄谷行人「マルクスその可能性の中心」(2023.03.18)
- 家事は不払い労働――上野千鶴子『家父長制と資本制――マルクス主義フェミニズムの地平』(2023.03.10)
- 推敲を終える(2023.03.04)
- Amazon Kindleストアで電子書籍の販売を開始しました。(2023.03.01)
- 盛りだくさん――高田明典「物語構造分析の理論と技法 CM・アニメ・コミック分析を例として」(2023.02.28)