グループワークができなくなっている――東浩紀/宮台真司「父として考える」
東浩紀/宮台真司「父として考える」を読む。二人とも娘さんを持つ父親である。読んでいてグループワークできない子供が多いという指摘が気になった。僕の世代だと、班でグループ化されていたからだ。また能力別編成への批判も耳に新しかった。同じ様な子供達が集まってしまって、刺激を受ける機会が減るのだとか。
Twitterを高評価している。ハッシュタグやリツイートなどの拡散機能だろうけれど、島宇宙の間をつなげる機能があると見ているのである。島宇宙とは言い換えればタコツボみたいな掲示板を指すのだろう。
構築主義なるものは、たいていは社会科学や歴史学の伝統を無視した、この種のナンセンスです。東さんがいまおっしゃったような「ゼロ年代的な虚構批判」以前からポスコロ(ポストコロニアル理論)やカルスタ(カルチュラル・スタディーズ)において「虚構批判」が珍重されています。どうせコップの中の嵐ですから実務的にはどうでもいいんですが、若者のメンタリティ的には問題かもしれませんね。
……という文章が目に止まった。Wikipediaで調べた範囲では社会学において構築主義が実務的ではないという批判があるとのこと。構築主義の虚構批判というのが今ひとつピンと来ないのだが、掘り下げてみる価値はあるか。
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