批評の意義――東浩紀「テーマパーク化する地球」
東浩紀「テーマパーク化する地球」を読む。10年代の批評・インタビューを中心にまとめられている。ゼロ年代の批評は東日本大震災で変化を余儀なくされる。
批評が大学化したのがカルチュラル・スタディーズであるという指摘はなるほどと思った。ただ、カルチュラル・スタディーズは特定の思想に傾き過ぎているのではないかと思う。一面的な見方に陥っている。
自分がやらなくても、いずれ誰かがやるという醒めた見方だけど、一面では正しいかもしれない。ただ、例えば東氏なら、郵便、誤配、動物化、一般意志2.0、観光客の哲学という組み合わせで生み出せるのは東氏以外にいないのである。
それにしても、やはり東氏はメタフィクションが好みなのだと再認識させられた。
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