誤読する可能性あり――大塚英志「ストーリーメーカー 創作のための物語論」
大塚英志「ストーリーメーカー 創作のための物語論」を読む。初読時は講談社現代新書だったと記憶しているが、現在は星海社e-SHINSHOとして発行されている。読み返して思い起こしたのは初読時に誤読していたことである。ロシアのプロップの昔話の形態論が紹介された際、昔話には普遍的な法則があるのかと感心してしまったのである。実際には「ロシア」の「魔法民話」と限定されていたのであるが。また、キャンベルの英雄論についても似たような誤読をしてしまった。実際には「パッチワーク」であると記されているのだが。キャンベルの神話学には強い批判があるとのことなので、そこら辺には触れておくべきだったと思う。この本にはこのように誤読を誘う箇所があるので留意が必要である。
本書ではスターウォーズが事例として挙げられているが、執筆時期から察するに4・5・6のみが分析対象となっていると思われる。
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