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2022年8月 2日 (火)

屁ひり爺――モチーフ分析

◆あらすじ

 昔あるところに爺さんがいた。ある日お殿様の山で木を伐っていたら、お殿様の行列が通った。お殿様が人の山で木を伐るのはどいつだと言った。爺さんは日本一の屁ひりじいと言った。それなら屁を一つひってみよとなり、ここには尻にとげがたってひられない、板の間は冷たくてひられない、畳はつるつるしてひられないとなり、毛氈(もうせん)ならひられるとなった。毛氈の上で錦ざらざら黄金ざらざら五葉の松原はスッポロポンのポンと大きな屁を見事にひった。お殿様は大層喜ばれて、まさしく日本一の屁こき爺だ。褒美をとらせると言った。爺さんは褒美をもらった。それを聞いた隣の欲張り爺さんが自分も褒美を貰わねばと、お殿様の山で木を伐っていた。お殿様の行列が通って人の山で木を伐るのはどいつだと言った。欲張り爺さんは日本一の屁ひり爺と言った。それでは屁をひとつひってみせよとなった。ここには尻にとげがたってひられない、板の間は冷たくてひられない、畳はつるつるしてひられないとなり、毛氈ならひられるとなった。毛氈の上で錦ざらざら黄金ざらざら五葉の松原とやったが屁が出ない。そこで爺さんは錦ざらざら黄金ざらざら五葉の松原はスッポロポンのポンとやったが、出たのは屁ではなく大きな黄色なのがポン。お殿様は怒って、よくも嘘をついたなと一刀のもとに尻を切ってしまった。だから欲張りをして人まねをしてはいけない。

◆モチーフ分析

・爺さんがお殿様の山で木を伐っている
・そこにお殿様の行列が通りかかり、とがめられる
・爺さんは自分を日本一の屁ひり爺と言う
・それなら屁をひってみよとなる
・爺さん、あれこれ理由をつけて屁をひらない
・毛氈の上で大きな屁をひる
・お殿様、大層喜んで、褒美を賜る
・それを隣の欲張り爺さんが聞く
・隣の爺さん、お殿様の山で木を伐る
・お殿様の行列が通りかかり、とがめられる
・隣の爺さん、自分が日本一の屁ひり爺と名乗る
・それなら屁をひってみよとなる
・隣の爺さん、あれこれ理由をつけて屁をひらない
・毛氈の上だが屁が出ない
・もう一度ひると大便が出てしまう
・お殿様、怒って隣の爺さんの尻を切ってしまう

 爺さんが殿様の山で木を<伐採>する。そこへ通りかかった殿様が<とがめる>。爺さん、日本一の屁ひり爺と<名乗る>。爺さん、あれこれ理由をつけて屁を<ひらない>。毛氈の上で見事に屁を<ひる>。殿様、喜んで褒美を<賜る>。それを聞いた隣の爺さん、山で木を<伐採>する。そこへ殿様が通りかかって<とがめる>。隣の爺さん、日本一の屁ひり爺と<名乗る>。隣の爺さん、あれこれ理由をつけて屁を<ひらない>。毛氈の上で大便を<ひって>しまう。怒った殿様、隣の爺さんの尻を<斬る>。

 発想の飛躍は中々屁をひらずにここぞというところで屁をひることでしょうか。これも隣の爺譚です。

◆参考文献
・『日本の民話 34 石見篇』(大庭良美/編, 未来社, 1978)pp.134-136.

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