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2022年7月29日 (金)

神さまから授かった下駄――モチーフ分析

◆あらすじ

 昔々、お爺さんとお婆さんが二人で暮らしていた。二人は貧乏だった。ある日お爺さんは畑から帰ると、お宮へ参ってくると言って仕事着のまま出かけていった。お爺さんはお宮へ参ってどうかお金を授けて下さいますようにと一生懸命お願いした。すると、神さまが裏庭に下駄があるから、それを持って帰れと言った。お爺さんが喜んで行ってみると、古ぼけたきたない下駄が片っぽだけあった。こんなぼろ下駄が片っぽでは仕方がないと思ったが、それでも神さまの授け物だからと思い直して持って帰った。家へ帰ってお婆さんに下駄を見せると、お婆さんはそんな古い下駄では何にもならないではないかと言った。お爺さんは捨ててしまおうかと思ったが、試しに履いてみようと思った。するとおじいさんはころりと転げた。起きてみるとその拍子にお爺さんの身体の下に金がごっそり出ていた。お爺さんは大喜びでもう一遍履いてみた。すると、またころりと転んで起きてみると身体の下にお金がごっそりあった。お爺さんは面白くなってまた転んだ。ところが不思議なことに、お爺さんが転ぶたびにお爺さんの身体は段々小さくなった。お爺さんはそれでも履いては転び、歩いて転びしたので、お金は山の様にたまった。しばらくしてお婆さんが来てみると、大きな金の山のほとりにお爺さんが虫のように小さくなっていた。

◆モチーフ分析

・貧乏な爺さんと婆さんが二人で暮らしていた
・爺さん、仕事着のままお宮に参りに行く
・爺さん、お金を授けて欲しいと祈る
・裏庭に下駄があるからそれを持って帰れと神さまが教える
・爺さんが見ると、汚い下駄がかたっぽだけだった
・神さまの授け物だからと、爺さん、下駄を持って帰る
・家に帰って婆さんに下駄を見せる
・婆さん、そんな古い下駄では何にもならないと言う
・爺さん、捨ててしまおうかと考えるが、試しに履いてみる
・爺さん、転げる
・すると、お金がどっさり出てきた
・爺さん、何度も履いては転ぶを繰り返す
・婆さんが気づくと、爺さん、虫の様に小さくなっていた

 爺さん、お宮に<参拝>する。金が欲しいと<祈念>する。すると神さまが裏庭に下駄があると<教える>。爺さん、それを取って<帰宅>する。試しに<履いて>みると<転ぶ>。するとお金を<獲得>する。何度も<反復>した爺さんは虫の様に<小型化>してしまう。

 発想の飛躍は転ぶとお金が出てくるが、代わりに身体が小さくなるところでしょうか。欲をかいてはいけないという教えになっています。

◆参考文献
・『日本の民話 34 石見篇』(大庭良美/編, 未来社, 1978)pp.119-120.

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