« サブカル談義ではない――大塚英志、東浩紀「リアルのゆくえ――おたく/オタクはどう生きるか」 | トップページ | 文学青年だった柳田――大塚英志「社会をつくれなかったこの国がそれでもソーシャルであるための柳田國男入門」 »

2022年7月24日 (日)

ホトトギス――モチーフ分析

◆あらすじ

 昔、ホトトギスと雉子(きじ)がどちらがたくさん鳴くか自慢し合った。雉子が自分は秋の彼岸から春の彼岸までに一千一声鳴くと自慢した。ホトトギスは負けん気になって自分は一夏に八千八声鳴いてみせると自慢した。それでは見せてみよという話になった。さっそくホトトギスは鳴き始めたが中々八千八声は鳴けなくて、仕方がないから飛んでいるときも鳴いた。それでも八千八声には届かないので、今度は夜も寝ずに鳴いた。しまいには喉から血が出た。それでも雉子に約束した八千八声鳴かねばならない。困った。卵を産んでかえすときに鳴かなかったら八千八声にならない。そこで考えた。鶯(うぐいす)がいない時には鶯の卵を放りだして自分の卵を産んでおいた。そうと知らない鶯は一生懸命かえして育てた。ホトトギスの子は一人で飛べるようになると、他所へ飛んでいってしまうそうだ。そうしてホトトギスは八千八声鳴く。八千八声鳴くと喉から血を出して死んでしまうそうだ。

◆モチーフ分析

・ホトトギスと雉子がどちらがたくさん鳴くか自慢し合う
・雉子、秋の彼岸から春の彼岸までに一千一声鳴くと自慢する
・ホトトギスは負けじと一夏に八千八声鳴くと自慢する
・それでは見せてみよと実行を迫られる
・一日中鳴いても八千八声に届かない
・ホトトギス、鶯の巣に自分の卵を産み付ける
・鶯、ホトトギスの卵をかえして世話する
・ホトトギス、八千八声鳴いて喉から血を流して死ぬ

 ホトトギスと雉子が<自慢>し合う。ホトトギス、見栄をはったところ、それでは<実行>せよと<詰め寄られる>。一日中<鳴いて>も届かない。そこで鶯に<托卵>して<鳴き>続ける。約束を<達成>したら<喀血>して<死ぬ>。

 発想の飛躍は八千八声でしょうか。見栄を張ったばかりに実行せねばならなくなってしまいます。鶯に托卵させる理由づけとしても発想の飛躍が見られます。

◆参考文献
・『日本の民話 34 石見篇』(大庭良美/編, 未来社, 1978)p.107.

|

« サブカル談義ではない――大塚英志、東浩紀「リアルのゆくえ――おたく/オタクはどう生きるか」 | トップページ | 文学青年だった柳田――大塚英志「社会をつくれなかったこの国がそれでもソーシャルであるための柳田國男入門」 »

昔話」カテゴリの記事