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2022年7月10日 (日)

赤ば牛の金玉――モチーフ分析

◆あらすじ

 昔、たくさんの財産をもった親父さんがいた。財産をどの子にやったらいいか迷っていた。そこであるとき三人の子供にお前たちはこれから先どうしようと思っているか聞こうとした。長男におまえはどういう考えか聞くと、長男は吉田の田部さんのような長者になりたいと答えた。次男は隠岐の島一の長者になりたいと答えた。そこで三男に聞くと赤ば牛の金玉が二つ欲しいと言った。びっくりした親父さんは訳を聞くと、三男は兄貴のような大馬鹿者に一つずつ分けてやるのだと答えた。赤ば牛の金玉をわけたらどうなるのか聞くと、なんぼ一生懸命働いても一生のうちに田部さんや隠岐のすけくのような日本で何番という長者になれるものではない。それを求めるのは夢の様な話だから、そんな馬鹿たれには赤ば牛の金玉くらいがちょうど良いと言った。親父さんは三男が一番利口なので家の財産を皆三男に譲ることにした。

◆モチーフ分析

・親父は財産をどの子に継がせるか迷っている
・三人の息子にこの先どうするか聞く
・長男は吉田の田部みたいな長者になりたいと答える
・次男は隠岐島一の長者になりたいと答える
・三男は赤ば牛の金玉が二つ欲しいと答える
・驚いた親父は三男に理由を聞く
・三男は二人の兄に一つずつ分けてやると答える
・親父、分けたらどうなるのか聞く
・一生懸命に働いても一生の内で日本有数の長者になることはできない。故に大馬鹿者には金玉で十分と答える
・親父、三男が一番利口と認め、財産を三男に譲ることにする

 相続で<迷う>。三人の息子から<聴取>する。長男、長者になりたいと<回答>する。次男、長者になりたいと<回答>する。三男、金玉が欲しいと<回答>する。<驚いた>親父、三男に訳を<訊く>。三男、理由を<述べる>。親父、三男に相続させることに<決定>する。

 <聴取>から意外な<回答>、<決定>という流れです。

 ツークを再確認すると、赤ば牛の金玉と回答するところが発想の飛躍でしょう。
◆参考文献
・『日本の民話 34 石見篇』(大庭良美/編, 未来社, 1978)pp.69-70.

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